新型コロナ感染症のワクチン接種が普及し、マスクを外す機会が増えた。全国旅行支援の後押しもあって、紅葉を愛でる旅行や会食を楽しむ人は多い。結果として、コロナ第8波の流行やインフルエンザの流行懸念が生じている。
「インフルエンザに感染すると、血管のプラーク(血管壁に生じるコブのようなもの)が破れて血栓が生じやすくなり、狭心症や心筋梗塞、心不全のリスクが上がるので注意が必要です」と、東京都健康長寿医療センターの原田和昌副院長。循環器内科で、心不全や高血圧の患者の診療・臨床研究を数多く手掛けている。その研究のひとつが、インフルエンザといった感染症と心臓病の関連。インフルエンザを発症すると、血管の炎症がひどくなり、心筋梗塞や慢性心不全などの心臓病も悪化する傾向があることを突き止めた。
「冬に増える心房細動もインフルエンザを発症すると急性増悪します。心不全につながるだけでなく、心臓内に滞留した血液に血栓が生じると脳梗塞の原因にもなります。命に関わる事態につながるリスクがあります」
そもそも寒い時期は、血圧の乱高下で脳卒中や心臓病が発症しやすいといわれる。流行するインフルが、それに拍車をかけるのだ。コロナ感染も避けたいが、インフル予防も忘れてはいけない。
「インフルエンザワクチンを上手に活用していただきたいと思います。また、感染予防のために、手洗いやマスクを心掛けましょう」。

