食欲の秋は、強い食欲に負けてつい食べ過ぎてしまうことがある。気づけば小太りに。痩せなければと昼食を抜いて我慢。このプチ断食が、健康に寄与することがある。
「小太りの方がプチ断食をすると、エネルギー源の一種のケトン体を使用しやすくなり、心臓の代謝がよくなる可能性があります。結果として、小太りの人は寿命が長いと考えられるのです」とは、東京都健康長寿医療センターの原田和昌副院長。循環器内科で、心不全や高血圧の患者を数多く診ている。
「心不全の患者さんの疫学調査では、標準体重の人よりも小太りの方の死亡率が低いと報告されています。特に75歳以上のご高齢の方では、小太りの方が長生きなのです。その理由として、プチ断食でケトン体を活用しやすいことが関係している可能性があります」
痩せていると、ケトン体の産生で不可欠な中性脂肪が少ないため、プチ断食をしても活用しにくい。とはいえ、小太りがよいからと中年期に急激に太れば、腎機能が落ちたり、塩分の排出能力が下がって高血圧につながることが、原田副院長らの研究で報告されている。
「太れば心不全のリスクは上がるものの、小太りは心不全の死亡率を下げます。高齢者は小太りの方がよいのですが、中年期は標準体重を目指した方が、高血圧などの生活習慣病予防につながります」
小太りにとどまるために、食べ過ぎたときにはプチ断食。ケトン体で疲れた心臓がよみがえることに期待しよう。

