乳がんは早期に発見すると、治る確率の高いがんです。そのためには、乳がん検診をしっかり受けるのが大事になります。加えて、乳がん発症リスクの高い人が分かっているので、自分はどうなのかをチェックしておきましょう。乳がん発症リスクの高い人とは--。

◆「初潮が早く、閉経が遅い人」

生理の回数が多いということ。女性ホルモンのエストロゲンは生理のときに増加します。エストロゲンにさらされる期間が長いと乳がん発症のリスクが高まるのです。

◆「出産していない人」

妊娠中は生理がありません。出産していないということは、エストロゲンの出ている期間が増えていることになり、乳がんリスクがアップすることになります。

◆「お酒を飲む人」

アルコールは体内で「アセトアルデヒド」に代謝されますが、これに発がん性があるので、飲む量が多いほど乳がんのリスクはアップします。

◆「肥満の人」

特に閉経後の肥満が要注意。閉経後は脂肪細胞の中でステロイドホルモンが女性ホルモンに転換されているからで、肥満の人ほど女性ホルモン値が高いからです。

◆「たばこを吸う人」

若いときからたばこを吸っている人ほど、リスクは高くなります。

◆「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の人」

両親のどちらかから、乳がんと卵巣がんの発症に関わっている2つの遺伝子「BRCA1」、もしくは「BRCA2」の遺伝子の変異を受け継いでいる場合をいいます。この場合は、70%程度の確率で乳がんを発症します。これを正確に知るには採血でできる「遺伝子検査」が必要になります。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)