<入浴は、睡眠にいい2つの働きがある>

1つは、浴槽にゆっくりつかることで深部体温を上げること。いったん上がった体温が下がり始めるタイミングで眠りに誘われるので、入浴で体温を上げることはとても大切です。

もう1つは、自律神経の副交感神経を刺激すること。熱い湯では交感神経が刺激されてしまうので、39~40度のぬるめの湯にゆっくりつかりましょう。

入浴は眠る1時間半前がいいタイミングです。シャワーですませるのではなく、ちゃんと湯船につかるようにしましょう。

<血管ほぐしで、血管をしなやかに>

ぼくは浴槽のなかで筋肉や血管を15分ほどマッサージしています。

血液は重力で脚のほうにたまりますが、湯の中では浮力があり、重力が分散します。足裏からふくらはぎにかけてマッサージし、足の血液を心臓のほうに戻してやりましょう。

次に、手の親指の付け根のところから肘の内側にある橈骨(とうこつ)動脈に沿って、指の腹で指圧をしていきます。血管を圧迫すると、血管の内皮細胞から一酸化窒素(NO)が出て、血管をやわらかく拡張し、体全体の循環をよくしてくれます。

手のこぶしを強く握ってグーをつくり、パーで開く動きも、血管からNOが出ます。血圧の高い人はぜひやってみてください。

血管ほぐしは血液の循環をよくし、自律神経も刺激されるので、いい睡眠に導いてくれるでしょう。(医師で作家・鎌田實)