「睡眠力を高める」というヨーグルトがよく売れているそうです。ヨーグルトは健康にいい発酵食品ですが、なぜ、睡眠と関係があるのでしょうか。

その考え方は、脳と腸のつながり「脳腸相関」に関係しています。

<脳腸相関>

腸には1億個の神経細胞があり、自律神経を介して、脳とつながっています。脳がストレスや不安を感じると、しばしば腸の機能が悪くなって、下痢や便秘を起こしたりします。反対に腸の機能が悪くなると、心が不安定にもなります。この関係が「脳腸相関」です。

幸せホルモンのセロトニンは、脳でも作られますが、多くは腸で作られています。そう、セロトニンは睡眠ホルモンのメラトニンの材料ですね。

<トリプトファンがセロトニンをつくる>

ヨーグルトは、幸せホルモンのセロトニンを作るトリプトファンが含まれていること、そして、セロトニンの分泌機能のある腸を整えること、主にこの2点から、いい睡眠に持ち込もうというのが、冒頭のヨーグルトの考え方だと思います。

<野菜たっぷりの具だくさんみそ汁>

身近なところでは、みそ汁にも同様の作用が期待できるかもしれません。みそは優れた発酵食品で、トリプトファンなど9種類の必須アミノ酸が含まれています。野菜やきのこ、海藻たっぷりの具だくさんみそ汁にすることで、腸を整える食物繊維もとることができます。(医師で作家・鎌田實)