脈活の「脈」は脈拍の「脈」、すなわち脈活とは、血管の状態をよくする活動のことです。

<人は血管から老いる>

血管が老化すると、シミ、しわ、むくみなどの原因になるほか、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、さらには認知症などの病気のリスクを高めます。まさに老化は血管から始まるのです。

<ゴースト血管がこわい>

血管の老化の1つに「ゴースト血管」と呼ばれる状態があります。これは毛細血管が存在するのに血液が流れないため、画像検査を行うと血管が消えているように見えます。まるでゴースト(幽霊)のような血管なので、ゴースト血管と呼ばれています。

腎臓の毛細血管がゴースト化すると腎機能が低下し、人工透析が必要になることもあります。またゴースト血管は認知症の発症にもかかわっています。

<中高年の2人に1人が高血圧>

ゴースト血管のような血管の老化を進める要因の1つが高血圧です。日本人の中高年の2人に1人が高血圧といわれています。ところが血圧はかなり高くなっても、自覚症状がほとんどありません。健康診断で高血圧といわれても、「別に元気だからいいや」と軽く考えている人が多いのですが、実は高血圧はとても危険です。

生活習慣を改善し、血圧を下げて血管の老化を防ぎ、脳卒中や心筋梗塞にならない体を作ることが大事です。次回以降詳しくお話しします。(医師で作家・鎌田實)