近年、光免疫療法が雑誌やテレビ等で多く取り上げられています。レーザーの世界での歴史は古く、PDT(光線力学療法)と呼ばれ、がん細胞だけに付着し、レーザー光に反応して、付着した組織を死滅させる薬剤を点滴や注射した後にレーザー光を照射することで、がん細胞だけを死滅させようという治療法です。
腫瘍親和性光感受性物質とレーザーのさまざまな組み合わせが行われてきました。1980年に早期肺がんに対するPDTが実施された後、現在では脳腫瘍、表在性胃がん、子宮頸部(けいぶ)初期がん・異形成に対して保険が適用されていますが、保険適用に際しては詳細な条件が規定されていて前述全て疾患に対して容易に行える治療ではありません。また使用薬剤による光過敏症の副作用を避けるために治療後数日~1週間程度、暗室での生活が必要であったりして、治療の普及には解決すべき問題が数多く残されています。
しかし光免疫療法と名付けられた最新治療では薬剤は光過敏症を発症させずに治療を行う事が可能で、がん細胞を死滅後に全身の免疫活性を上げることが出来るという特性があり、将来が期待されています。しかし現在は切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がんに保険適用が限定されており、限定された適用の中での臨床成績によって、他の疾患に対する適用拡大が決定されるであろうことから、臨床結果に注目が集まっています。
次回はレーザーメスを含むいろいろなメスの特性を説明します。
◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。

