現在、医療機関で使用されているメスとしては<1>スチールメス<2>電気メス<3>超音波メス<4>レーザーメスなどがあります。

<1>スチールメスは映画やドラマなどで手術の開始時に「メス」と言う医師の手に渡される刃物です。刃の形状によって多くの種類があり、はさみ(剪刀)もあります。切れ味は抜群ですが、止血力はゼロです。切開部分の縫合時にはきれいに治ります。

<2>電気メスは体内に電流を流し、メス先で電流密度を最大にして組織を切開し凝固します。ラジオ波のような周波数の低いものからマイクロ波のように周波数の高いものまで種類があり、メス先がひとつで対極板との間で電気を流すモノポーラ型とメス先が2つでメス先間に電流を流すバイポーラ型があります。ともに止血力が強くほとんどの医療機関で使用されています。

<3>超音波メスは先端の切れない刃の部分を超音波で振動させることで、接触した組織内に振動による熱を発生させ、切開、凝固を行う血管の無結紮(けっさつ)処理に優れたタイプと、超音波を組織にあてて固い細胞だけを乳化吸引する、血管を残して腫瘍だけをなくすタイプがあります。

<4>レーザーメスはレーザー光を組織に熱を主とした(一部は衝撃波)エネルギーとして伝えて、組織を切開、凝固、蒸散することが可能で、波長によってレーザーの種類が異なりますがメスとしては切開時の出血と術後の周辺組織へのダメージが少ない事が特徴です。

これらのメスを目的に応じて医師は使い分けています、手術の目的によって優れたメスの種類が異なっています。

◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。