私の古くからの友人N君は長年、糖尿病を患っていました。新型コロナに感染して意識不明となり入院。幸いすぐにエクモ治療を受けられたので、一命は取り留めました。3カ月の闘病後に何とか退院できましたが、治療の過程で糖尿病の悪化から腎不全を起こし週3回の人工透析が必要になっていました。

ところが、人工透析を受けながらの生活は厳しく、また退院後もクレアチニンという腎機能を表す血液検査値が「20」を超え、顔色もかなり悪く、仕事どころか生活維持困難は明白でした。本人も「先生、このままだったら僕、死んでしまいます」と自覚をしていました。エクソソーム(幹細胞培養上清液)治療で私自身もそうですが、体調が良くなった症例が多くあったので、少しでもN君の体調が良くなればと思い治療を勧めたところ、N君はわらをもすがる思いで「先生、お願いします」。早速、治療を開始しました。

1週間に1回の点滴による静脈注射を行いましたが、みるみるうちに顔色が変わってきました。N君もすごく喜んで「体調だけでなく頭髪まで元気になりました」と治療のたびに言います。そして驚くことに治療を始めてクレアチニンの値が「6」ほどまで下がりました。このようなことは医師としても初めての体験でした。自然に尿も出始めたらしく、「おしっこをするのは気持ちよいですね」。今日もN君の弾んだ言葉を聞きました。仕事も再開したのでQOLの向上を確認できました。

◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。