私のクリニックには私の専門の耳鼻咽喉科に整形外科も併設しています。週に2度、整形外科専門医のD医師に外来をお願いしています。プロの競輪選手を始めいろいろなアスリートが来られます。ある競輪選手は落車をし全身打撲、数カ所の骨折で半年ほどリハビリを行っていました。この選手は半信半疑で治療に来られていましたが、痛みが残る腰、首、肩にエクソソーム(幹細胞培養上清液)の筋肉注射を集中して行い、その上に最新レーザー装置による臨床試験を2カ月間受けていただきました。
重傷からのリハビリは長く痛い過程です。相当痛いはずなのに、さすがプロ選手なので一切の弱みを見せません。エクソソームを患部に注射し最新レーザーを当てます。この2つの抗炎症作用が相まって痛みが引き、自転車走行練習も再開しました。競輪走行中はすごく首に負担がかかり、首に痛みがあると全力で力を出し切れないそうです。首の痛みがなくなり、全力で走れるようになりましたとの連絡を受け我々も喜んでいましたが、復帰後いきなり優勝、タイムトライアルも自己最高をたたき出したそうです。
もちろん、本人のリハビリに対する努力が一番なのですが、今度はアスリートのQOL向上に少しはお役に立てたようです。このエクソソームを患部に直接に注射する治療はアスリートだけでなく、一般の方々の膝、肘、腰、首の痛みにも有効が確認されています。
次回はアンチエイジング治療について述べます。
◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。

