ビタミンが免疫力のアップに役立つ効果を東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんが続いて解説する。

「ビタミンK」は、出血した際、血液凝固作用で出血を止め、骨の形成を助ける作用が。納豆、ヒジキ、ワカメなどに多い。葉酸は、赤血球の生成に使われDNAの合成を助ける。枝豆やホウレンソウに含まれる。ホルモンの合成にかかわるパントテン酸は、レバーや納豆などに含まれる。

「ビタミンCには、ストレスを感じた際、体内で抗ストレスホルモンを分泌する役割があります。体内に備わっている免疫システムの中心的な役を担っている白血球には、高濃度のビタミンCが含まれていて、白血球中のビタミンC貯蔵量を一定に保つことが大切です」(赤石さん)

ビタミンと同様、車のエンジンオイルにたとえられる栄養素群が「ミネラル」だ。

「ミネラルは、体をつくる材料になるだけでなく、体を正常に保つため必要な微量の栄養素です。体内ではつくることができないため、食事から摂取する必要があります。ミネラルは体の代謝にはたらく酵素をサポートする“補酵素”といわれているのです」(赤石さん)

おもなミネラルは、鉄分、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リンなど。鉄分はそれが不足すると代謝が低下し、エネルギーの消費効率が悪くなる。カルシウムは、骨格を構成する大事な成分で不足すると体脂肪を増加させるという研究もある。

「亜鉛には、タンパク質やホルモンの合成に関与するほか、美肌や美髪の効果などもあるのです」(赤石さん)