がんの中で年間罹患(りかん)者数が最も多い「大腸がん」。できるなら罹患したくはない、と思うでしょう。では、大腸がんのリスクの高い人はどのような人なのか-。

がんのリスクと言えば「たばこ」「お酒」などがすぐに出てきます。大腸がんも、「たばこ」「過度な飲酒」「肥満」「運動不足」がリスク要因になっています。高カロリーのおいしい洋食ばかりを食べる。洋食では肉や加工肉(ハム、ソーセージ)の摂取がリスク要因に。そこでよく言われるのが“野菜、果物をしっかり取りましょう”という言葉です。

ここで気付いて欲しいのは、このリスク要因は「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」「脳卒中」などと同じです。つまり、大腸がんなどのがんも同じ「生活習慣病」だからです。生活習慣病としてきちっと対応できれば、リスクは減らせるのです。

リスクは減らせることはわかってきました。では、「ストレスをためず」「7時間は睡眠をとる」「有酸素運動を行う」「禁煙」「お酒は控えめに」「肉食を減らす」などを実際にできるでしょうか。もちろん、それができる人もいるでしょうが、たやすいことではありません。

私は医師として働き、非常に忙しく睡眠時間は5時間で、お酒は何とか控えめにしています。しかし、今の仕事をしている限り、生活習慣を改善することは無理なのです。そこで、私は大腸がんに関しては3年に1回、大腸内視鏡検査を受けています。この検査は1日の休みを作れば受けられます。早期発見ができ、治療もできます。

これは私の個人的なアドバイスです。大腸がんに関しては、“無駄に大腸がんで命を落とさないために”少し気軽にこの内視鏡検査を受けることだと思います。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)