男性に多い「膀胱(ぼうこう)がん」の治療は、早期に発見できると、検査と治療を兼ねた「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)」を行います。この手術は、硬性の膀胱鏡を尿道から膀胱に挿入し、がん組織を電気メスで切除するのです。この手術の後に、「上皮内がん」があった場合や「再発予防」として、2つの治療が行われています。それが「BCG注入療法」と「抗がん薬膀胱内注入療法」です。再発予防というのは、膀胱がんは他のがんと比べて再発しやすいことがわかっているからです。
まず、BCG注入療法は、結核のワクチンのBCGを膀胱内に注入し、免疫を活性化させて、がんをたたく治療です。上皮内がんのある患者さんの治療、もしくは、がんの顔つきが悪く、放っておくと膀胱を取ることになってしまう患者さんへの再発予防です。
BCGを注入するときは細いカテーテルを尿道から挿入して注入します。そして、2時間程度は排尿を我慢してもらいます。これを週に1回、6~8回行って終了となります。3カ月ごとに3回注入することもあります。これは維持療法として推奨されています。この治療の後、基本的に生検を行って膀胱がんが治っているかを調べます。60~70%の方がこの治療で治ります。ただし、膀胱炎、発熱などの副作用が出た場合は注入療法をいったん中止し、副作用が改善した段階で注入を再開します。副作用の萎縮膀胱が起こることもあります。
もう一つの抗がん薬膀胱内注入療法は、細いカテーテルを尿道から挿入して抗がん薬の「ピラルビシン」を手術直後に再発予防として注入します。そして、抗がん薬の場合、副作用はほとんど出ません。
再発予防などが行える治療は主治医と話し合って受けると、再発や進行を抑える可能性が上がります。ここは十分に話し合いましょう。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

