「尿検査」や「血尿」などで発見されるのは「膀胱(ぼうこう)がん」だけではありません。尿は腎臓で作られ、それが腎盂(じんう)にたまって尿管へ。その尿管は尿を膀胱に運びます。だから、「腎盂・尿管がん」も膀胱がんと同じタイプのがんがほとんどです。今回は、その腎盂・尿管がんの手術にスポットを当てます。
腎盂・尿管がんの手術は、基本的に転移のない状態が対象です。その手術法は「腹腔鏡手術」と「ロボット手術」があり、私たちはロボットに空きがないときは腹腔鏡手術で対応しています。
ロボット手術は膀胱がんと同じで腹部に6か所、8ミリ程度の穴を開けて行います。前回取り上げた膀胱がんのロボット手術と同じです。腎盂・尿管がんでは、腎臓、尿管のすべてと膀胱の一部を切除します。そして、膀胱の空いた部分を閉じて、内視鏡を挿入していた穴を5センチ程度切り広げます。最後に、腹部の切り広げたところから切除した腎臓・尿管と膀胱の一部を取り出すので、片方の腎臓がなくなることになります。
腎盂・尿管がんのロボット手術は、膀胱がんでの膀胱の代わりを作ることがいらないので、手術時間はそれほどかかりません。この手術になれている術者であれば、腎臓を切除するのに2~3時間程度、尿管・膀胱の一部を切除するのに1時間程度、トータル3~4時間くらいで終了します。翌日からは歩くことも水分摂取もでき、1週間くらいで退院できます。患者さんの身体に負担をあまりかけないので、90歳くらいの高齢の患者さんでも手術は受けることができます。いつまでも手術が可能な元気な高齢者で過ごすようにしてください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

