男性に多い「膀胱(ぼうこう)がん」は、早期発見ができず、局所進行がんになると「膀胱全摘除術」になります。膀胱を全摘すると膀胱がなくなるので、膀胱の代わりを作る必要があります。それには大きく分けて、<1>「回腸導管造設術」、<2>「新膀胱造設術」の2つの方法があります。今回は、まずは回腸導管造設術がどのような手術なのかを知ってください。

回腸導管造設術の回腸とは、小腸(十二指腸、空腸、回腸)の3分の2を占めていて、その先は盲腸。この回腸を15~20センチ程度切って取ります。そして、残った回腸と回腸をつなぎ合わせます。切り取った回腸の片方は閉じて、両方の尿管をくっつけます。もう片方の回腸の端は、おなかの皮膚の外に出します。この場所はおへその3~4センチ右下です。

回腸導管の場合、回腸は尿が流れる道として使います。尿は外にチョロチョロ出たままになるので、外側にはストーマを付け、そこに尿をためます。尿がたまれば、栓を開けてトイレに流します。まさに人工膀胱です。人工膀胱を付けた患者さんは「日常生活が大変!」と思われますが、慣れてしまうとそれほど不便なことはありません。

手術だけであれば1週間で退院できますが、ストーマ対応をマスターするために2週間は入院が必要です。ストーマ対応は専門の看護師が行い、患者さんは2~3週間で普通にストーマ対応ができるようになります。

患者さんは服を着て普通に生活されているので、見た目はまったくわかりません。皆さんの周囲にも、ストーマを付けた方がごく普通に生活されているのが今日です。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)