加齢で多くの人が気になるのが肩コリ、腰痛などです。よくある悩みで“いまさら聞きにくい”けれど、名医らに聞いた「整形外科のトクする話」-。骨粗しょう症に最新のロコモ体操まで、今日から医療ライター・しんどうとも氏がお届けします。
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なぜ「肩コリ」が起こるのか。ヒトの肩にはほかにはみられない特徴があると、自治医科大学整形外科の竹下克志教授は指摘する。
「それは肩甲骨(けんこうこつ)の存在です。たとえば足では骨盤と大腿(だいたい)骨がひとつの関節で動いていますが、肩は体と腕の間に、中間物としての肩甲骨があって、これら3つが協調して動いています。それぞれが上手に働けばよいのですが、じつは肩甲骨が動いていない人がとても多いのです」(竹下教授)
“肩が動かない”とたとえば年配者では「肩が上がらない」ということが起きる。“バンザイ”しようとしてもまっすぐ上がらないし、そもそも痛くてできないなんてことも多い。
「肩甲骨が動いていないということは、“ほんとうは肩甲骨が補っている部分”を、体と首と腕でなんとかしなければいけないことになって、余計に負担がかかります。それが痛みの原因になってしまうというわけで、予防的には肩甲骨を柔らかくしておくことが、首や腕への負担を軽くすることになりますね」(竹下教授)
肩甲骨を柔らかくするには、「胸を張る運動」や「すくむ動き」などが効果的だ。胸を張ることで体が反れたら、次に腕を前に出すようにする。
「胸をうしろに反らしたら、こんどはすくむようにすると肩甲骨は動きます。あとは肩を上げたり下げたりするだけでも動きます。実際、筋肉というのは動かさないといけないし、硬くなってしまうのでふだんから意識しておくといいと思います」(竹下教授)
肩コリの一因として知られる「僧帽筋(そうぼうきん)」もまた、肩甲骨を動かさないと余計に負担がかかりやすくなるという。

