治せる確率が高くなったとはいえ、がんが見つかり冷静でいられる人は稀だろう。「がんロコモ」に詳しい埼玉医科大学病院リハビリテーション科・篠田裕介教授に聞いた。

「以前から、そして今でも、“がんになったら、がんの治療を最優先にしなければならない”という意識が患者にも医者にもあると思います。がんになっても仕事は継続したほうが良い、運動したほうが良い、というイメージは持ちにくいかもしれません。しかし、骨転移のために骨折リスクがある場合を除くと、がん治療中の患者は動いた方がよいのです。運動してリラックスすれば免疫機能が上がるかもしれません。また、がん化学療法中の運動療法が、患者の身体機能を向上し合併症を軽減するといったエビデンスもあります」。

抗がん剤の治療等でつらいときはあっても、がんだからずっと寝ていなくては、というわけではない。

「動き続ければ動き続けられるし、動かなくなるとどんどん動かなくなる。ここは大事なところです。動ける間は気持ちの面でも前向きになることができる、散歩するだけでも違うと思います」。

また運動機能を維持することは治療継続にもつながると強調する。

「がんの患者さんにとって外来に通えるということはかなり重要です。治療の選択肢が大幅に増えますし、治療を続けられることは生命予後にもかかわります」(篠田教授)。