「LOH症候群(男性更年期障害)」は、男性ホルモンの代表格「テストステロン」の低下によって起こる病気で、さまざまな「精神症状」「身体症状」がでてきます。しかし、「『うつ病』とテストステロンの低下とは相関関係がない」という医師もいる状況にあります。

うつ病と男性ホルモンの関係については、まだ断定はできていません。ただ、「気分変調症(持続性抑うつ障害)」は、テストステロンの低下との関連性が示唆されています。気分変調症とは、比較的軽いうつ症状が2年以上続く病気です。

うつ病と診断が付いた場合は、テストステロンが低いケースもあります。が、ホルモン補充療法を行ったから必ずしも軽快するわけではありません。むしろ、うつ病と診断が付いた場合は、精神科の治療が優先されることを知っておいてください。

一方、気分変調症はうつ病とまでは言えない「気分の落ち込み」「不安感」のある人で、テストステロンが低下している人に見受けられることがあります。この気分変調症の人が男性更年期障害を疑って泌尿器科を受診されます。ただ、患者さん自身は気分変調症であっても、その症状を大変気に留める方もいます。その場合は、精神科を紹介します。

私は抑うつ症状を把握するために、精神科のような問診をします。「双極性障害」の人もいますので、「若い頃の話」も伺います。そして、「テストステロン値」を調べます。それでテストステロン値が低いと私の診察に入りますが、治療効果が不十分だったり、比較的強い精神症状があったりする場合は、「精神科の医師にも加わってもらって両方で治療をすべきです」と患者さんにお勧めします。私は泌尿器科と精神科が連携したハイブリッド治療がうまくいくケースを経験してきたからです。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)