「LOH症候群(男性更年期障害)」を改善するには「運動」「食事」は重要です。
ただ、有効な運動でもやり過ぎはダメ。食事では、男性ホルモンの代表である「テストステロン」をアップしてくれるものを上手に取り入れることがポイントです。加えて、「腸内環境」がテストステロンアップにかかわっていることが分かってきました。今回は腸内環境にスポットをあてます。
「腸内に細菌が普通にいるオスのマウス」と「腸内を無菌化したオスのマウス」に分けて、強度の有酸素運動を8週間行わせた実験があります。すると、前者では筋肉量が増加し、テストステロン値も上昇しました。腸内を無菌化したマウスはトレーニング効果が低く筋肉量があまり変わりませんでした。つまり、腸内が無菌状態ではダメで、腸内細菌がいることが重要、ということがわかりました。そして、無菌で飼育したマウスを自然環境に戻すと、明らかにテストステロンのレベルがアップしたのです。
私たちの腸内には、腸内フローラと呼ばれる乳酸菌や大腸菌など大事な菌がたくさんいて腸内環境を整えています。その腸とストレスは密接に関係し、ストレスがたまると下痢をすることがあります。このような腸と脳のかかわりを“腸脳相関”と言います。ストレスがたまるとテストステロンが低下し、逆にストレスをかけずに腸内環境が整うと、テストステロンは上昇します。
そして、腸内には“幸せホルモン”と言われる「セロトニン」の90%が存在し、ストレスを軽減する作用もあります。腸内環境が整うと身体の炎症が抑えられ、テストステロンの生成に有利。まさに“人間の身体は腸から”。そのためにも腸内環境を整える「食物繊維」「オリゴ糖」「ヨーグルト」「発酵食品」などをとるのが良いでしょう。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

