「肺がん」の薬物療法で最も新しい薬は「免疫チェックポイント阻害薬」。前回は、その免疫チェックポイント阻害薬にスポットを当てました。今回は、免疫チェックポイント阻害薬の中の「ニボルマブ(商品名:オプジーボ)」「アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)」に絞って紹介します。

◎ニボルマブ PD-1阻害薬の代表。がん細胞によって免疫細胞(T細胞)の免疫にブレーキがかかっているのを解除し、がん細胞を攻撃させる治療薬です。通常、2~4週間に1回の点滴投与で、投与時間は30~60分程度。投与時間に幅があるのは、ニボルマブだけではなく、他の抗がん剤と組み合わせることもあるからです。免疫チェックポイント阻害薬の「イビリムマブ(商品名:ヤーボイ)」と組み合わせて使う方法も行われています。イビリムマブは、がん細胞がCTLA-4という免疫(樹状細胞=免疫細胞の一種)にブレーキをかけているのを解除します。この併用療法は12カ月間、と期間が決められています。そして、ニボルマブは小細胞肺がんにも使えますが、“特に小細胞肺がんに使う”となっています。

◎アテゾリズマブ PD-L1阻害薬の代表。PD-1に結合する分子(リガンド)で、PD-L1がT細胞上のPD-1と結合すると、免疫反応を適度に抑制して自己免疫反応を防ぎます。ニボルマブと同じく非小細胞肺がんに使われますが、小細胞肺がんにも効果があります。アテゾリズマブは、ニボルマブのところで出したイビリムマブと作用は同じ「PDLA-4阻害剤」。術後の補助化学療法で、術後の再発率を下げるために使われています。そのほか、普通の薬物療法を行っていて病巣が再発したときは、2次治療として、アテゾリズマブを加えて行っています。

患者さんを診ていて、免疫チェックポイント阻害薬は30%程度の患者さんに有効になっていると感じています。薬が効くと、今は昔のようなことはなく、明日に期待が持てます。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)