「肺がん」の治療は「手術」「薬物療法」「放射線療法」が3本柱。今回は最後の放射線療法にスポットをあてます。
放射線療法は、イメージとしては薬物療法とは少し違って、手術に近い治療だと思います。抗がん剤は点滴投与で全身に効きます。しかし、放射線はがん部分に照射するので、局所に効く治療。そのため、薬物療法や手術に比べ、身体への負担が少ないのです。
そして、早期肺がんは手術が基本です。ただし、放射線療法での根治的治療も行われています。放射線療法での根治的治療の対象となる肺がんは、次のケースです。「小細胞肺がんの限局型」と「非小細胞肺がんの病期1期~3期で、何らかの理由で手術が行えない」という場合です。
そして、縦隔リンパ節に転移した進行がんなどでは、放射線と抗がん剤との併用(化学放射線療法)で局所コントロールをしたり、進行を抑制したりします。結果、化学放射線療法の治療成績も良くなってきています。
さらに、がんが進行して骨転移になると、つらい痛みの症状があります。その症状に対して、放射線を照射して痛みなどをやわらげる「緩和治療」を行います。骨転移では病的骨折や圧迫骨折を起こし、疼痛(とうつう)に苦しめられます。この時、痛みから解放してくれるのが放射線療法です。緩和治療は肺がんがステージ4の患者さんに対しても、もちろん行われています。
このようにいろんな患者さんに対応できるのは、放射線療法の引き出しがとても広くなってきているからです。放射線療法はいろんな治療法が行われています。それは次回に--。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

