攻守でタイガースらしい野球を取り戻しつつあると感じたのが、6回の攻撃だ。伏見が内野安打で出塁した後、高橋への代打坂本がバントで走者を進め、近本がかえした。この流れで3点を挙げたが、この背景には二つのポイントがある。
一つは若手リリーバーの成長だ。7回に登板した工藤は2点こそ失ったが、失策が絡んでもの。同点に追いつかれたが、勝ち越しは許さなかった。自責ゼロで踏ん張ったのは大きい。前夜の木下もそうだが、いきおいのある若手が出てきて、7回以降、逃げ切りの形ができてきた。ここは阪神の不安なところだった。試合が崩れてもおかしくなかったが、リリーフがつないで、白星を拾えるようになった。だから6回の攻撃は高橋に代打を出して、1点を取りにいくということが計算できる。
もうひとつは近本の存在だ。3安打したが、骨折から復帰したばかりで、まだまだ絶好調ではないだろう。それでもいるだけに、チームの雰囲気はやはり違う。攻撃に落ち着きを与えている。昨年までも下位からチャンスを近本が生かし、また主軸につなげていた。そういうタイガースの点の取り方が見られるはず。あらためて思うのは、1番から5番の顔ぶれが他のチームと比べて、群を抜いているということ。巨人も調子がいいし、攻守で阪神の戦いができつつあるのは、明るい材料だ。
少し心配なのは、先発の高橋だ。連続で完投している時に比べたら、やはり調子は落ちている。疲れがあるのか、体が重い感じの立ち上がりだった。今まで1年間投げた経験もあまりないだろうし、疲れた時のピッチングというものをまだ経験していない。ケガの多い選手でもあるし、タイミングを見て、休ませるということも考えたほうがいい。(日刊スポーツ評論家)




