阪神茨木秀俊投手(22)が先発登板した7月27日のフレッシュ球宴のハードオフ新潟に、帝京長岡(新潟)の恩師で日本ハムの投手だった芝草宇宙監督(56)と後輩が駆けつけていた。3日前の同24日、新潟大会決勝で帝京長岡は日本文理に敗れ、春夏連続の甲子園出場を逃した。新チームスタートのはずみになれば、と監督は1、2年生を連れてきた。「先発・茨木」のアナウンスを聞いただけで、後輩たちは大きな拍手。茨木は、後輩が手本にしている先輩だ。

卒業後も、何かあるたびに監督は茨木の高校時代の取り組みを語って聞かせる。「もう終わろう、とこちらが声をかけるまで練習をやめなかった選手なので」。野球部の部室には、勝って喜び、負けて涙した地方大会の紙面が貼ってある。日々実直に野球に向き合った先輩の高校時代を、目に見える形で残しておきたい思いからだ。

プロ野球の公式戦開催の機会が少ない新潟で、フレッシュ球宴は茨木の今の姿を見る絶好の機会だった。初回2死からの失点を、恩師は残念がった。「2死二塁で4番打者を迎えて、この勝負で打たれてはいけない。丁寧に攻めて次の打者勝負でもいい。なのに初球の変化球が完全なボール球で、次にまともなストレートでガツンと打たれたのは何してんだ、と。先制点は絶対に許してはいけないと教えてきたのに。抑えられる球があったのに」と先制打を打たれた場面を悔やんだ。

それでも、ストレートの球質には目を見張った。プロ野球の先輩としての目でも見ても「すごくよくなっていました。1軍で通用する球になってきました」と変化を喜んだ。何年たっても大事な教え子の成長も目の当たりにした1日になった。【堀まどか】