梅雨が明けると、いよいよ列島各地で球児たちの熱戦が活発になる。第108回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園)へ向けた地方大会開幕が本格化する前に、取材の中で見つけた「ピカイチ」な選手をテーマ別に全4回にわたって紹介する。担当記者が選ぶイチオシな選手たちとは-。第1回は「投手編」。
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名門の背番号1。その重みを背負い、浦和学院(埼玉)の日高創太投手(3年)が最後の夏を迎える。
宮崎県出身の日高が野球を始めたのは小学4年生の頃。父の影響に加え、英語教室で仲の良かった友人が野球をしていたことがきっかけだった。「野球をやるなら強いところでやりたい」。高校は家族や指導者の後押しを受け、故郷を離れて浦和学院へ進学した。
入学当初は179センチ、67キロ。細身だったが食事と筋力トレーニングを重ね、現在は181センチ、83キロまで成長した。1食700グラムのご飯を食べ続けるなど体づくりに励み、昨秋に139キロだった最速は147キロまで伸びた。「食トレと筋トレをずっとやってきました」。努力を積み重ねた右腕は今春の関東大会でチームを準優勝へ導き、エースの座を確立した。
森大監督(35)からの信頼も厚い。「春の関東大会の準優勝の立役者は間違いなく彼ですし、エースは日高だと思っています」。日高にとっても森監督は特別な存在だ。「最後は恩返しというか、甲子園に連れていかないと裏切りになってしまうので、自分が甲子園に連れていくという気持ちです」。指揮官への感謝を胸に、最後の夏へ挑む。
一方で、自身の性格については「メンタルはそんなに強くない」と率直に語る。エースとして注目を集める中、「チームがうまくいかない時に、自分がダメだからこうなるんだと責任を感じる」と明かす。それでも、「自分の世界に入ってしまうことがあるので、夏はそこをなくしたい」と課題と向き合い前を向く。
ひとたび戦闘モードに入れば、エースとしての強い執念が心に宿る。今春の関東大会決勝では先発を任されながら悔しさも味わった。「完投ができていないので、1人で投げ切ることにはこだわりを持っています」。今後は大学進学が決まっているが、それでも視線の先にあるのは将来ではなく、この夏だ。同期たちとともに歩む高校野球最後の夏。3年ぶりの甲子園出場へ、背番号1がマウンドからチームを牽引(けんいん)する。【会田京叶】
◆日高創太(ひだか・そうた) 2008年(平20)6月29日生まれ、宮崎県出身。小学4年から野球を始め、中学は宮崎ボーイズでプレー。浦和学院では2年春からベンチ入り。3年春でエースの座をつかむ。最速147キロ。181センチ、83キロ。右投げ右打ち。

