敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。
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横手(秋田)は敦賀気比(福井)に大敗し、初戦で涙をのんだ。
エースの夏が終わった。横手・佐藤宙斗(ひろと)投手(3年)は「今まで支えてくれた人たちにいい景色を見せたかった…」と、目を赤くした。
父昭太さんと親子二代で横手のエースナンバーをつけた。「毎回を丁寧に」。27年前のエースから、試合前に決まってもらう一言だ。宙斗は「父の言う通りにやれば抑えられる、本当に心強い」と、いつも胸に刻んでいた。「父も目指した舞台だったので、自分が投げることができたのは父にとってもうれしいことだと思う」。この日も思いを背負い、堂々と聖地のマウンドに立った。
キャッチボールを始めた小学1年生の頃。うまくできないと、すぐに泣いて逃げ出しそうになった。昭太さんも「きっと野球やらないんだろうな…と」。そんな父の思いを覆し、野球にのめり込んだ宙斗。この日、笑顔でマウンドに立ち続ける姿に「感慨深いというか、本当に誇らしい」と成長に目を細めた。
野球を続けるかは決めていないが、将来は両親と同じ薬剤師の道を志す。「ずっと見てきた甲子園で、野球ができたのは自分のこれからの人生にとってすごく大きなもの」。この瞬間をかみしめ、涙を拭いて歩んでいく。【高橋香奈】

