不動産王ドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利したことにより、メジャーにも影響が出るのではとの懸念が出ている。大リーグ機構は今後の新球団新設都市の候補としてメキシコシティを挙げているが、トランプ大統領就任でメキシコとの関係が悪化する可能性も心配されている。
ところで大リーグ機構は01年から「ポリティカル・アクション・コミッティー(PAC)」という政治献金を行う部署を持っており、今年1月にはワシントンDCにロビー活動のための事務所も開設した。政治的な活動が年々重視されるようになってきたのだ。
米国では、プロスポーツチームのオーナーが誰にどれだけ政治献金をしたかが公開されており、メジャーリーグ30球団のこの1年の献金状況の詳細を閲覧することができる。それによると、最も多額の政治献金を行ったのはダイヤモンドバックスのケン・ケンドリックス・オーナーで、共和党大統領候補だったマルコ・ルビオ氏に複数回に分けて計70万ドル(約7350万円)を献金したのを始め、別の共和党大統領候補テッド・クルーズ氏ら複数の政治家に70回もの献金を行っていた。
アスレチックスのジョン・フィッシャー・オーナーはルビオ氏の他、同じく共和党大統領候補のクリス・クリスティー氏、ジェブ・ブッシュ氏らに76度も献金。ジャイアンツのチャールズ・ジョンソン・オーナーも、ジェブ・ブッシュ氏やルビオ氏ら候補者個人の他、共和党の政党自体にも献金、マーリンズのジェフリー・ロリア・オーナーも共和党に複数回献金している。MLB球団オーナーは、共和党大統領候補か共和党自体に献金しているケースが圧倒的に多いが、ドナルド・トランプ氏には誰も献金していない。レッズのボブ・カステリーニ・オーナーなどは「反トランプ」を掲げる政治団体に複数回の献金をしているほどで、トランプ人気は低い。かといって民主党の大統領候補だったヒラリー・クリントン氏に献金するオーナーも少なく、ドジャース、ツインズ、オリオールズのオーナー以外は見当たらなかった。
ただし、メジャーのオーナーには球団以外のビジネス経営者である場合も多いため、これらの献金が野球に結び付くものかどうかは不明。レッドソックス、カブス、ヤンキースはこの1年間、政治献金がゼロだった。
【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」)




