エンゼルスのアート・モレノ・オーナー(75)が大谷翔平投手(27)やマイク・トラウト外野手(30)の存在を台無しにしているとやり玉に挙がっている。
MLBは選手会との新労使協定の交渉が難航し、開幕が延期される事態になった。労使間で最ももめている問題の1つが、ぜいたく税回避の上限額設定だ。オーナー側は2月28日に最新の修正案を提出した際、今季の上限額を引き上げ2億2000万ドル(約242億円)としたが、これには30球団中4球団のオーナーが反対したと報じられている。そのうちの1人がエンゼルスのモレノ・オーナー。その他3人はダイヤモンドバックス、タイガース、レッズのオーナーたちだ。
昨年12月に米経済誌フォーブスなどが見積もった各球団オーナーの資産ランキングによると、レッズとダイヤモンドバックスのオーナーは資産6億ドル以下で下位5人に入るが、モレノ・オーナーは36億ドルで全オーナー中13位の資産を持つ。
それだけの資金力があってもぜいたく税上限の引き上げに反対しているのは、これ以上の補強をしたくないという意思の表れなのか。せっかくメジャーを代表するスターのトラウトと大谷がいるのに、これ以上補強をする気がなく優勝争いにも絡めなければ、2大スターの全盛期を無駄にすることになる。米メディアでは、そんな指摘が出ている。
また、このぜいたく税回避の上限引き上げに反対するということは、新労使協定で選手会と合意に至るまでの道のりが険しいことを示している。選手会は6日に提出した最新案でも金額を修正しておらず、今季2億3800万ドル(約262億円)を要求。オーナー側の2億2000万ドルとは1800万ドル(約19億8000万円)の開きがあるまま縮まらない。
交渉が難航すれば開幕が更に遅れる。シーズン最初の15日間が中止になれば大谷の今季のサービスタイムが1年に満たなくなり、FA権取得が1年遅れることになるかもしれない。選手会は労使交渉の難航でシーズンが短縮されたとしても、サービスタイムをフルに勝ち取ろうと戦う姿勢だそうだが、どうなるかはまだ不透明だ。シーズン開幕が遅れ大谷のFA時期が先送りになれば、モレノ・オーナーにとっては利になるが、それを狙っているのだろうかと勘繰る声もある。
ちなみにこの開幕延期でFAの時期に影響を受けるのは大谷とメッツのピート・アロンソ内野手(27)、カージナルスの先発右腕ジャック・フラーティ(26)の3人だという。いずれも各チームにとって重要な存在で、今後が注目される。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」)




