ダイヤモンドバックス平野佳寿投手(34)が19日(日本時間20日)、カブス戦で今季73試合目の登板を果たし、2004年に大塚(当時パドレス)13年に上原(同レッドソックス、現巨人)がマークした日本人メジャー投手のシーズン最多登板記録に並んだ。1回を無安打無失点と完璧に抑えた。7点リードで登板しホールドなどはつかなかったが、防御率は2・09とメジャーの新人投手ではトップ。

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良い意味で「わが道を行く」タイプで「謙虚」。平野を取材していると、よく思うことだ。京都府宇治市出身。あっけらかんとして、兄貴分のような雰囲気がある。6月中旬、連続無失点記録を19まで伸ばしていた。その時点でチームの新人タイ記録だったが、本人は「そうなんすか?」と、全く気に留めていなかった。

1年目の活躍が注目されているという質問には「どうすかね。そんなされてないんじゃないですか」と素っ気なかった。頭の中は「投げる試合を抑えるだけ」しかない。黙々と自分の仕事を全うする。だから、連続無失点の記録にも無関心だったのだろう。

軸はぶれない。メジャー1年目は特に日本とは違うマウンドやボールが気になるはずだが「野球をやっているということは変わらないので」と返ってきた。そういえば同じことを大谷も言っていた。「一番は、日本でやっていたトレーニングをしっかり続けて、同じ体を毎日作ること」。異国で本来の力を発揮するには何より自分らしさを貫けるかが大事。それが出来るから平野の今がある。【MLB担当=斎藤庸裕】