来年2017年に予定されるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本代表・小久保裕紀監督(45)が8月中旬、日本人メジャーリーガーが所属する各球団を訪問しました。国民の期待を背負う「侍ジャパン」の陣頭指揮を執る立場として、マーリンズ・イチロー外野手をはじめ、日本人選手の激励を兼ねた視察を目的とするものでした。今回の訪問が代表への招請や打診と直接関係するわけではありませんが、小久保監督は「メジャーでやってる選手たちは、こっちに足を運ばない限りは直接は会えないので」と、含みを持たせた言葉を残しています。

 2006年の第1回大会には、イチローと大塚晶則(当時レンジャーズ)の2選手、2009年の第2回大会には、イチロー、城島健司(ともに当時マリナーズ)、岩村明憲(レイズ)、福留孝介(カブス)、松坂大輔(レッドソックス)の5選手が、「メジャー組」から参加しました。

 各メジャーリーガーが戦力上、重要な役割を期待されることは言うまでもありません。他国のメジャー選手の情報にしても、対戦経験に基づいたものですから、ビデオやデータ以上に説得力もあるはずです。その一方で、米国本土で戦う上で「まとめ役」を担ってきた部分も見逃せません。

 実際、過去の大会では、イチロー主催の焼き肉集会が行われて話題を集めました。このほか、各メジャーリーガーが各地のレストランを手配したり、休日にはゴルフを楽しむなど、グラウンド外でも積極的にコミュニケーションを図っていました。メジャーでは、シーズン中でも休日のゴルフは日常茶飯事。WBCの大会中だからといって、宿舎内におとなしく閉じこもるよりも、青空の下で体を動かす方が、よっぽどいい気分転換にもなります。そんな自由でおおらかな雰囲気を生み出したのは、間違いなく、メジャーリーガーの面々でした。

 現時点で、来年の大会に何人のメジャーリーガーがエントリーするかどうかは未定です。故障明けの選手をはじめ、FAとなる選手は移籍問題が絡むなど、個人の意思だけでは決められず、確かに難しい部分はあります。

 ただ、メジャーリーガーが中心となった06、09年で2連覇したのは、偶然でないような気もします。プレッシャーのかかる試合の連続だけに、場数を踏んだベテランや経験者の存在が、より重要になるのではないでしょうか。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)