公式戦最終戦となった10月2日、「マーリンズ-ナショナルズ戦」で、マ軍のマーティン・プラード内野手がチームの指揮を執りました。マ軍のプレーオフ進出の可能性が消滅し、対するナ軍はすでに地区優勝が決定。いわゆる「消化試合」となったこともあり、マ軍マッティングリー監督が、「セレモニー監督」としてプラードを指名し、同選手も快諾したことで実現しました。
現役選手が「監督」を務めることは、過去にもありました。ヤンキースのジョー・トーリ監督(当時)は1999年の最終戦でポール・オニール、04年にはルーベン・シエラを監督に指名。ベテラン選手に指揮を任せることで、「消化試合」にシャレっ気をもたらす演出をしました。今回の起用の裏には、ホセ・フェルナンデス投手の急死で沈むチームの雰囲気を和らげたい、との願いも込められていたのでしょう。マッティングリー監督は「ナイスで小さい伝統。これが(ポストシーズンの)当落線上の試合だったらできない。我々は(球場を出て)フットボールを見に行くわけでもないし、最後までベンチにはいるから」と、久しぶりにリラックスした表情で話していました。
この日、試合前のメンバー表交換には、オズーナ外野手が登場。ベテラン捕手のマシスがベンチコーチ、クリス・ジョンソンが打撃コーチの役割を担いました。「3番三塁」でスタメン出場したプラードは第2打席を終えると、3回裏から指揮に専念。ベンチ最前列で腕組みしながら戦況を見守り、投手交代の際にはゆっくりとマウンドへ向かうなど、なかなか堂に入った雰囲気を見せていました。試合は、マ軍の追い上げも及ばず、監督初白星は逃しました。それでも、投手7人、野手13人を起用するなど、積極的に采配を振りました。
試合後のプラードは、いつになく疲れた表情? で試合を振り返りました。昨季最終戦でイチローが登板したことを思い起こしたのか開口一番、「今日はイチに(投手として)投げさせたくなかったんだよ」というジョークでした。「初回から(審判への抗議で)退場させられるような監督にはなりたくない」と話していた一方で、3時間あまりの「監督業」で、選手とは違う角度から試合を見る新鮮さを感じたようでした。
「すばらしい経験だった。ただ、やることが多すぎて…。僕は監督になれないと思ったよ」。マーリンズの主将格で、実力、人格とも尊敬される32歳のベテラン。来季以降も、まだまだ現役のチームリーダーとして活躍しそうです。
【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)




