日刊スポーツ・MLB専属カメラマンの菅敏(すが・さとし)カメラマンが、シーズン後半もドジャース大谷翔平を密着取材。彼の「魅せる」特別な瞬間や表情を、選りすぐりの写真とともにその舞台裏を語ります。
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10月17日、ロサンゼルス。
リーグ優勝決定シリーズ第4戦、ドジャース本拠地のドジャー・スタジアムに大歓声が響きました。
この日、大谷翔平選手は「1番・投手兼DH」として先発出場。1回表にマウンドに上がり、その裏、初球を完璧に捉えて先頭打者本塁打を放ちます。優勝への王手がかかった試合でもあり、スタジアムは地鳴りのような歓声に包まれました。
その後も快投を続け、4回の打席を迎えます。打った瞬間、ホームランを確信したように歩き出す大谷さん。カメラのシャッター音は、ファンの歓声と驚きのどよめきにかき消されます。
ファインダー越しに見えるのは、打球を見送って肩を落とすブルワーズの選手たち。そしてベンチのドジャースナインにピントを合わせると、なぜかフレディ・フリーマンやミゲル・ロハスが頭を抱えています。打ったのは味方の大谷さん。なのに、なぜ?
その理由はすぐに分かりました。打球は右翼スタンドを越え、場外へと消えていったのです。まさに規格外。投げて、そして打って、球場中の度肝を抜く場面でした。
それでも興奮は終わりません。7回、写真を送信していたら、この日3本目となるソロ本塁打を放ちます。ベンチで見守っていた共同オーナーのマジック・ジョンソン氏も「ワァオ!」と声を上げ、会場は揺れるような歓声に包まれました。
投げては6回0/3を無失点、10奪三振。まさに完璧。ファインダー越しに見た光景は、現実なのか、漫画なのか、映画なのか。脳が追いつかないほどの衝撃でした。
そして試合後。表彰式でMVPを受賞した大谷さんが、スピーチで「皆さん、今日はおいしいお酒を飲んでください」とコメント。その言葉通り、取材を終えて写真整理を終えた深夜、私もハイボールを多めに注ぎながら、この伝説の1日をかみしめました。【カメラマン・菅敏】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「カンビンのWEEKLY SHO!Time!!」)





