エンゼルス大谷翔平投手(29)がFAとなりました。6日(日本時間7日)までは前所属球団エンゼルスの独占交渉期間となり、これを過ぎれば他球団との契約が可能。いよいよ本格的な大谷争奪戦が始まります。

大谷の移籍候補として、最も注目すべきは本人が求める「勝てるチーム」です。現在メジャー30球団の中で勝てるチームといえば、毎年のように優勝しているドジャース、アストロズ、ブレーブスなどが挙げられます。

ナ・リーグ西地区のドジャースは2年連続地区優勝。この11年間で10度の地区優勝、11年連続でプレーオフに出場しています。ア・リーグ西地区のアストロズも3年連続地区制覇。過去7年で6度の地区優勝、7年連続でプレーオフに出場しています。ナ・リーグ東地区のブレーブスも6年連続地区優勝と、いずれも常勝軍団です。

さらに世界一27回を誇る名門ヤンキースも見逃せません。2009年を最後にワールドシリーズ優勝から遠ざかっていますが、17~22年まで6年連続プレーオフ出場。また、1993年以降31年連続勝ち越しと、常に優勝争いしているからです。

その中で大谷のようなDHが欲しいのはドジャースです。昨年12月にレッドソックスからFAのJ・D・マルティネスと1年1000万ドルで契約。今シーズン主に4番打者として33本塁打、103打点と好成績を残しましたが、あえて大谷を取るために単年契約を結んだからです。

それ以外のチームでDHを一番必要としているのはマリナーズでしょう。今シーズン終盤に追い上げ、1度は首位に立ちながらプレーオフ進出を逃しました。最大の敗因は攻撃力不足にあり、特にDHは最低クラス。メジャー30位の打率2割1分1厘、同25位のOPS・688。今オフ、最大の補強ポイントは強打者獲得にあります。

また、今シーズン期待外れに終わったメッツもDHは同28位の打率2割1分7厘、同23位タイのOPS・700と物足りない成績。今オフは先発投手2人、ブルペンの強化とともに攻撃力の改善、特にパワーヒッター獲得が必要となります。

DHに限らず、今シーズン深刻な攻撃力不足に泣いたのがヤンキースと、21年に球団新記録の107勝と驚異的な勝ち星で地区優勝しながら昨年3位、今年は4位と下降気味のジャイアンツです。特に、ヤンキースは昔から伝統的に打撃のチームでありながら、メジャー29位のチーム打率2割2分7厘、同25位の673得点など、信じられないような低迷ぶり。また、同9位の219本塁打を放ったとは言え、本拠地ヤンキースタジアムが左の強打者に有利な球場にもかかわらず、左バッターの本塁打数はたったの55本、最多が12本という有様でした。

一方、ジャイアンツも同28位のチーム打率2割3分5厘、同24位の674得点。そのうえ機動力もなく、各ベース拡大にもかかわらず最下位の57盗塁。特に、シーズン終盤は全30球団中最低の攻撃力不足にあえぎました。それだけでなく同17位の観客動員数約250万人と人気も低下。そういう意味でも「スターパワー」、すなわち歴代1位の通算本塁打数を誇るバリー・ボンズ以来不在となっている人気者の力が必要となります。

こうしたチームの中から大谷が求める「勝てるチーム」というのは、おそらく彼の貪欲な性格を考えると1度や2度でなく、毎年優勝出来るチーム、あるいは優勝出来なくても必ずペナント争いに加わる常勝チームだと思います。今後、毎年のようにワールドシリーズの大舞台に立ち、世界一の証しであるチャンピオンリングをいくつも手にするような常勝チームに行くことを願わずにはいられません。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)