ドジャースが、球界を代表するクローザー獲得に成功しました。今オフFA市場で最高の救援投手、エドウィン・ディアス(31=メッツFA)と3年6900万ドル(約107億円)で契約合意。救援投手では自らの史上最高額を更新する年平均2300万ドル(約35億7000万円)となりました。

ドジャースタジアムで会見を行い、笑顔を見せるディアス
ドジャースタジアムで会見を行い、笑顔を見せるディアス

プエルトリコ出身のディアスは実績も十分あり、メジャー9年間で現役4位の通算253セーブをマーク。今季も62試合で28セーブ、防御率1.63、1試合平均13.3奪三振と好成績を残し、自身3度目のリーグ最優秀救援投手に選出されました。

最大の武器は、いずれも超一級品とされる速球とスライダー。一般的に救援投手は史上最高のクローザー、マリアノ・リベラ(元ヤンキース)の決め球カッターに代表される、いわゆる「1ピッチパフォーマー」が主流です。しかし、彼の場合は2つの決め球を持つ「2ピッチパフォーマー」なのです。

その2つの決め球によって、救援投手ではジョシュ・ヘイダー(アストロズ)に次ぐ歴代2位の奪三振率39.9%(通算500投球回以上)を記録。また、2008年以降ではデビン・ウイリアムズ(メッツ)に次ぐ2位の空振り率39.8%(通算1000スイング以上)を誇っています。

特に、マリナーズ時代を含め大谷翔平投手に対しては、6打席で4打数無安打4奪三振と完璧に抑え「大谷キラー」ぶりを発揮。メッツの本拠地シティフィールドでは彼が登板すると、軽やかなトランペットが鳴り響く登場曲「Narco(ナルコ)」でファンを熱狂させました。

背番号3のユニホームに袖を通し、笑顔を見せるディアス
背番号3のユニホームに袖を通し、笑顔を見せるディアス

ディアスのドジャース入りには、弟アレクシスの後押しもあったと聞きます。今年5月にアレクシスはレッズからドジャースにトレードされましたが、残念ながら9月に戦力外となりました。それでも、兄に勝利の伝統あるチームを絶賛。それが名門チーム移籍の決め手になったようです。

今季ドジャースはワールドシリーズ2連覇を果たしたものの、先発投手陣の故障者続出により、救援投手陣の投球回がメジャー最多の657回2/3をマーク。また、メジャーワースト10位の防御率4.27、リーグ3位タイの27度もセーブ失敗。チーム3連覇へ最大の懸案材料でした。

そこで昨年パドレスからFAのタナー・スコットと4年7200万ドルで契約したのに続き、今オフも大物クローザーを獲得。今季スコットは防御率4.74、メジャー最多10度もセーブ失敗。ポストシーズンは登板機会なく、期待外れに終わりました。

しかし、来年は新クローザー、ディアスの加入により、スコットが中継ぎにまわります。他にもアレックス・ベシア、ブレーク・トライネン、アンソニー・バンダ、ベン・カスぺリアス、ウィル・クライン、ジャック・ドライヤーと豪華な顔ぶれ。さらに剛腕ブルスダー・グラテロルが2年ぶりに復帰予定です。

これで来年はブルペンが整備され、早くも「メジャー最高のリリーフ投手陣」との呼び声が高まっています。それによって、開幕からシーズンを通して投打二刀流での活躍が期待される大谷も、多くの勝ち星に恵まれそうです。メジャーを代表するクローザーであり、クローザーでは類いまれな2ピッチパフォーマー、ディアスの加入により、大谷の3年ぶり2桁勝利&2桁本塁打も期待できそうです。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

ディアスの入団会見に出席したドジャースのゴームズGM(右)
ディアスの入団会見に出席したドジャースのゴームズGM(右)

【動画】ディアス一家、ドジャースユニで登場 笑顔の入団会見