カブスからFAでドジャースに移籍したカイル・タッカー外野手が、入団会見しました。早速、大谷翔平投手が会見後のタッカーと笑顔でハグを交わし、新たにチームメートとなった2人のツーショットが実現。注目の新背番号は「23」に決まりました。

タッカーはアストロズ、カブスで「30」を付けていましたが、ドジャースではデーブ・ロバーツ監督が30番のユニホームを着用しています。通常、メジャーでは監督がスター選手に背番号を譲るものですが、世界一に3度も輝くロバーツ監督の背番号は、いずれ永久欠番になりそうです。そこで、タッカーはアストロズ時代に面倒を見てくれたマイケル・ブラントリー外野手に敬意を示し、同じ背番号を選んだようです。

当時、ベテランのブラントリーは三振が少なく、チームの打撃スタイルを変えたバッター。同じ左打者のタッカーにとっては、特に大きな影響を受けた人物でした。

さて、ロバーツ監督はタッカーの打順について「2番か3番になる」と言及。そうなると24年に大谷が入団以来、主に1~3番を打ってきたムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンとの「MVPトリオ」が崩壊。多分、2番をベッツに代えてタッカーにすることが理想的な打順になると思います。

なぜなら、彼は左投手を全く苦にしないバッターだからです。このあたりは同じ左打者のフリーマンと共通し、24年開幕当初は1番ベッツ、2番大谷、3番フリーマンという打順でした。その後、ロバーツ監督が左打者の続く打線を嫌い、6月以降ベッツと大谷の打順を入れ替えました。

同じ考えなら3番フリーマンに代えてタッカーですが、注目すべきは三振の少なさです。これはベッツとの共通点でもあり、昨年ベッツは589打数で68三振に対し、タッカーも500打数でわずか88三振。また、これまで年間100三振が1度もありません。つまり、ベッツに匹敵するぐらい、走者大谷を進塁させることができます。

しかし、2人の決定的な違いは内野ゴロによる併殺打です。昨年ベッツが15併殺打だったのに対し、タッカーは8つしか併殺打がありませんでした。すなわち無死、または1死で大谷が一塁にいても、タッカーなら併殺打で一瞬にしてチャンスをつぶすことが少なくなります。

さらに特筆すべきはスピードです。18年レッドソックス時代にベッツは「30-30」を達成しましたが、昨年はわずか8盗塁と年々スピードが減少。それに対しタッカーは25盗塁し、失敗はわずか3つ。近年ドジャースはスピードが落ちているだけに重要な要素です。

このような理由から、せめて右投手に対しては1番大谷、2番タッカーが理想。昨年メッツがフランシスコ・リンドア内野手、フアン・ソト外野手と2人の「30-30」が誕生して話題となったように、今やメジャーは再びパワーとスピードの時代です。そういう意味でも、24年メジャー史上初の「50-50」を達成した大谷に「30-30」型プレーヤーのタッカーを加えた打線は時代の最先端を行きます。もし大谷とタッカーの新1、2番コンビが誕生すれば、ますます野球が面白くなりそうです。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

ドジャース大谷翔平(2025年4月撮影)
ドジャース大谷翔平(2025年4月撮影)