◆福島良一(ふくしま・よしかず)千葉県出身。小学6年で日米野球を初観戦し魅了されて以来、大リーグ研究に没頭。高校2年夏の73年、24回連続出場したウィリー・メイズ(ジャイアンツ)最後のオールスター観戦を皮切りに、コロナ禍だった2020年を除いて毎年のように渡米。80年にカップ麺のCM撮影で来日したピート・ローズに、持参するのを忘れたフィリーズ帽子を貸し、感謝されたことが自慢。
【福島良一コラム】ロサンゼルスまで行ったらドジャース以外に1Aオンタリオの観戦もオススメ
-
- MLB研究家の福島良一さんがロサンゼルス近郊のドジャース1Aオンタリオ・タワーバザーズを訪問。本拠地ONTフィールドは電光掲示版がドジャースタジアムに似せて六角形となっている(福島氏提供)
先日、ロサンゼルスに行ってきました。と言っても、ドジャースの本拠地ドジャースタジアムではありません。ロサンゼルス中心街の歴史あるユニオン駅から近郊列車メトロリンクに乗って約1時間。「南カリフォルニアの玄関口」として有名なオンタリオ市です。
そこに今年初めてマイナーリーグの球団が誕生しました。カリフォルニア・リーグに所属するドジャース傘下1Aのオンタリオ・タワーバザーズ。1986年公開のトム・クルーズ主演映画「トップガン」の有名なセリフに由来した球団名で、球団マスコットの「マーベリック」もクルーズのコールサインというこだわりようです。
新球団を迎えるにあたり、市内に総工費1億2000万ドル(約192億円)を投じて、新球場ONTフィールドもオープン。第2次世界大戦中に軍用飛行場として使用され、後に民間空港として拡張され内陸地域の交通拠点となったオンタリオ国際空港が球場の命名権を獲得。同空港コード「ONT」から球場名が付けられました。
他に類を見ない航空をテーマにしたユニークな球場だけあって、正面入り口は空港の到着ロビーよろしく「Arrivals」という文字。球場に入って、まず目に飛び込んでくるのがドジャースタジアムと同じ六角形のスコアボード。収容能力6000人ながら本物のミニチュア版のようで、とても親近感を覚えました。
最大の魅力は、何と言っても将来のスター候補生たちを、いち早く見られることです。今シーズン開幕時、ドジャースの若手有望株上位30人のうち9人がチームに所属。その中には人気NO・1を誇る台湾出身の柯敬賢外野手もいて、ダッグアウトへ向かう途中にある大谷翔平投手の壁画に「いつか自分たちも…」という思いが伝わってきました。
また最高に素晴らしい施設を誇り、これがマイナーリーグ、それも1Aかと思うぐらいの豪華さ。場内のムードも申し分なく、特にマイナーの球場では珍しいオルガンの生演奏。しかも、驚いたことに日系アメリカ人のジャズピアニスト、エイミー・ロウさんによる超ぜいたくな演奏。ドジャースタジアムに負けないぐらいの雰囲気を醸し出してくれます。
それと毎試合がイベントという徹底したファンサービスも驚くばかり。それもかつてドジャースで活躍した往年の名選手たちによるサイン会や写真撮影会、ドジャースタジアムでも手に入らないような首振り人形などのプレゼント。さらに毎週水、金曜日は花火大会と盛りだくさんの内容です。
ところで、マイナーの球団にとって最大の問題は選手で客を呼べないことですが、親球団の本拠地球場から近いこともあり、ドジャースの選手たちがリハビリ場所に活用。最近では抑えのエドウィン・ディアス投手に続き、先発のブレーク・スネル投手もリハビリ登板。一流の大リーガー見たさに大勢のファンでにぎわいました。
とにかく、ドジャースタジアムから近いにもかかわらず連日の盛況ぶり。熱心なファンが「まるで第二のドジャースタジアムみたいだ」と言えば、むしろ「ドジャースタジアムより好きだ」という声も多く聞かれました。そこにはアメリカの古き良き時代を懐かしむ、昔ながらの野球があるからだと思います。
もしロサンゼルスでドジャースの試合を見る機会がありましたら、メジャーだけでなくマイナーリーグの試合も絶対おすすめ。夏の日の失われた野球の夢を見ることが出来ます。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)
-
- MLB研究家の福島良一さんがロサンゼルス近郊のドジャース1Aオンタリオ・タワーバザーズを訪問。美しいイーストオンタリオの駅(福島氏提供)
-
- MLB研究家の福島良一さんがロサンゼルス近郊のドジャース1Aオンタリオ・タワーバザーズを訪問。本拠地のONTフィールドの外観(福島氏提供)
-
- MLB研究家の福島良一さんがロサンゼルス近郊のドジャース1Aオンタリオ・タワーバザーズを訪問。チームきっての人気を誇る台湾出身の柯敬賢外野手(左)と福島氏(福島氏提供)
-
- ドジャース1Aのオンタリオで球場のオルガン奏者を務める日系アメリカ人のジャズピアニスト、エイミー・ロウさん(左)とMLB研究家の福島良一さん
-
- MLB研究家の福島良一さんがロサンゼルス近郊のドジャース1Aオンタリオ・タワーバザーズを訪問。チームきっての人気を誇る台湾出身の柯敬賢外野手(左)と福島氏(福島氏提供)
-
- MLB研究家の福島良一さんがロサンゼルス近郊のドジャース1Aオンタリオ・タワーバザーズを訪問。ONTフィールドでは花火打ち上げられた(福島氏提供)
-
- MLB研究家の福島良一さんがロサンゼルス近郊のドジャース1Aオンタリオ・タワーバザーズを訪問。球場内の壁には大谷翔平、カーショーらドジャースのスターが描かれている(福島氏提供)
-
- MLB研究家の福島良一さんがロサンゼルス近郊のドジャース1Aオンタリオ・タワーバザーズを訪問。本拠地のONTフィールド(福島氏提供)
-
- MLB研究家の福島良一さんがロサンゼルス近郊のドジャース1Aオンタリオ・タワーバザーズを訪問。オンタリオの駅(福島氏提供)