現地15日のパドレス戦でマーリンズのイチロー外野手が2安打を放ち、元レッズのピート・ローズ氏が持っていたMLB通算最多安打記録を抜く日米通算4257本を記録した。1回の第1打席で捕手への内野安打を放つと、9回の第5打席では痛烈な右二塁打で一気に新記録を達成したのである。

 この快挙を日本だけではなく、アメリカのメディアの多くも報じている。ただやはり、素直に新記録達成、とはなっていないようだ。

 ニューヨーク・タイムズ電子版は15日付けで「イチロー・スズキがピート・ローズを抜く、アスタリスク付けで」という記事を掲載している。アスタリスクとは「*」で、注釈を意味し、つまり条件付きで、ということだ。薬物疑惑があった元ジャイアンツのバリー・ボンズ氏が持つ通算本塁打記録がやはり、アスタリスク付きの記録と呼ばれたりもする。

 記事ではイチローの安打がMLBでは2979本であり、残りの1278本が日本のブルーウェーブで記録したものであることを紹介。ローズ氏が全国紙USAトゥデーに語ったという「私は日本の野球がMLBと同じという人がいると思わない。もし日本での安打がプロでの安打というなら、自分のマイナーリーグでの安打もプロの安打だ」というコメントを掲載。

 さらには元巨人の王貞治氏が1977年に通算本塁打数で元ブレーブスのハンク・アーロン氏の755本を抜いたが、日本のスタジアムがアメリカよりも狭かったことなども挙げている。

 ただ記事の締めがイチローがMLB通算安打3000本まで21本と迫っており、達成すれば30人目の快挙であると紹介。他の29人は全て23歳までにメジャー・キャリアをスタートさせていることを挙げ、イチローのすごさをアピールしていたのが印象的だった。

 またスポーツ専門局ESPNの電子版も「誰が最高の安打王か?誰に尋ねるかによる」という記事を掲載し、やはりいろいろな見方があることを示している。その一方でそのことを見越した上で「ごめん、ピート・ローズ!イチロー・スズキがメジャーでの全キャリアで4600安打するだろう理由がこれだ」という記事を掲載し、真の安打王はイチローだ、と言い切ったニューヨークの地元紙デイリー・ニュースのようなメディアもあった。

 どんな見方があるにせよ、イチローの実力を疑問視する人はいないことは確かなようである。