【サンフランシスコ(米カリフォルニア州)10日(日本時間11日)=四竈衛】マーリンズのイチロー外野手(41)が「3番右翼」で出場したジャイアンツ戦の守備で、頭脳的なトリックプレーを披露した。

 2-1と1点リードの9回裏1死一塁。ジ軍ブランコの打球が飛んだ瞬間、イチローはひらめいた。打球を追うことなく、捕球体勢に入る動作を見せた。一塁走者アリエスは、ハーフウエーで止まったまま。ところが、打球はイチローのはるか頭上を越え、右翼フェンスに直撃した。アリエスは慌ててスタートを切ったものの、時既に遅し。クッションボールを素早く処置したイチローからの返球が内野に戻った時、三塁に到達するのがやっとだった。

 「リスクはあるけど、でも同点にはさせたくない。そこはもう賭けでした」。形状が不規則な敵地で初の右翼守備。それでも、瞬時の判断で「フェイク」を見せた結果、周囲は完全にダマされた。アリエスが「イチローが捕ると思った。あんなプレーは見たいことない」と言えば、ジ軍青木も「ベンチが静まりかえった」と証言するほどだった。

 さらに、味方の中堅オズナまでもトリックを見抜いていなかった。プレー後、イチローに「大丈夫? 見えなかったの?」と聞いてきたほど。「センターが知っていてカバーに来てくれることが本当は前提としてあるけど、僕の動きにダマされていた。経験がないからしょうがないけど」。味方をも欺くプレーだった。