マリナーズ・イチロー会長付特別補佐(44)に、オールスターの本塁打競争出場話が浮上した。サービス監督が20日、MLBネットワークラジオに出演し「イチローは本塁打競争に出場すべき」と発言したことが発端となり、ヤンキース戦のためニューヨークに遠征中のイチロー周辺がたちまち騒がしくなった。

 練習前のビジタークラブハウスで大勢の米メディアに囲まれたイチローは、本塁打競争出場の可能性について質問攻めにあった。終始笑いながら「出ないわ。出るか」と否定し「いやー毎年言われていることなんだけど、今年の立場で言われるとは思わなかったですね」と、今回の騒動にやや驚いた様子。「とりあえず今年、僕はプレーできないことは確定してますから。コーチでもないけど選手でもないという難しい立場ですからね。それでもし勝ちでもしたら、MLBの歴史に傷が残りますよ」とジョークまじりに笑った。

 イチローはこれまでも、本塁打競争出場の話が何度も持ち上がってきた。実際に一番、最近で要請を受けたのはいつかと問われると「去年。マイアミだったし」と新事実も告白。「(要請は)1年目からありますよ。実際、ニューヨーク(ヤンキースタジアムで開催された08年)では決まってたしね」と明かした。

 今年の出場を否定したイチローだが、この日の打撃練習では柵越えを連発した。練習開始から徐々にタイミングを合わせ、4ラウンド目の打撃で5スイング中柵越え3本、最後の5ラウンド目は5スイング中4本柵越えを披露。トータルで10本柵越えし、そのうち2本が右翼側2階席まで飛んだ。サービス監督は「彼はパワーがあるし、打球をスタンドの席まで飛ばせる」と、イチローの出場をプッシュしていた。