【シアトル(米ワシントン州)21日(日本時間22日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(25)が、マリナーズ菊池雄星投手(28)との今季最後の直接対決を3打数1安打1三振で終えた。

5回の第3打席で左中間フェンス直撃の二塁打を放ち、これまで3度の対戦で計7打数3安打、打率4割2分9厘、1本塁打、1打点。岩手・花巻東高の先輩後輩対決に、結果で勝った。一方の菊池は5回9安打7失点で今季7敗目。持ち味を発揮できなかった。

直接対決の結果だけでなく、自分のスタイルに徹してプレーできるかどうかが、大谷と菊池の明暗を分けた。今シーズン最後の直接対決を終え、大谷は「結果は結果で、やれば出るものなので。打った、打たない、あると思いますけど、次に生かせればいいんじゃないかなと思います」と涼しげな表情で振り返った。

菊池から放った今季3安打全てで、らしさが顕著に表れた。この日の第3打席で放った左中間への二塁打には「ちょっと(バットの)先だった。比較的いい結果にはなってくれた」と控えめだったが、二塁打を打つ打撃スタイルが基本。逆方向への長打で“これぞ大谷”という打球を飛ばした。初対決の1打席目は二塁への内野安打だった。左中間へ運んだ1発は、初球の真ん中カーブを捉えた。心がける全力疾走に積極打法-。持ち味をいかんなく発揮して結果につなげた。

一方の菊池は、本来の力が出せなかった。この日も右打者の内角へ食い込む直球(クロスファイア)を投げきれず、課題を残した。後輩だが、メジャーに一足早く挑戦し2年目を迎えている大谷は「僕も今日ダメなところがありましたし、そこは次につなげたいなと思っているので、必ずそういう風に進んでいくと思う」と、課題に向き合い続ける自分と先輩を重ね合わせた。

失敗を経験し、レベルアップする。数字として結果は出たが、同郷対決について大谷は「楽しみにしてくれている人はいると思う。どっちが勝った負けたとかではなくて、そういう機会はたくさんあると思うので、頑張りたい」と思いをはせた。投手復帰する来季は、投げ合いの可能性もある。楽しみな対決は、まだまだ続く。