大谷「問題なく球数を投げられた」674日ぶり実戦

  • 紅白戦に登板した大谷(AP)
  • 投手から見た図 ○=直球、◁=スライダー、▽=フォーク。下線はファウル、白ヌキは最終球

<エンゼルス紅白戦>◇7日(日本時間8日)◇カリフォルニア州アナハイム

【アナハイム(米カリフォルニア州)7日(日本時間8日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が特別ルールの紅白戦に先発し、18年9月2日以来674日ぶりとなる実戦登板を果たした。3イニング相当で打者のべ10人に対して1安打1失点。7四球1三振の内容だった。18年10月に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(トミー・ジョン手術)を受け、19年9月には左膝の二分膝蓋(しつがい)骨の除去手術を受けた。二刀流復活へ、節目の50球を掘り下げる。

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大谷の50球は大きく暴れた。全球種を投げ、ストライク率は30%。スライダーやスプリットを引っかけ、17球もワンバウンドさせた。約1年10カ月ぶりの実戦マウンドは、味方相手の紅白戦。「ブルペンとやっぱり全然違う。独特というか、試合の感じとは雰囲気もちょっと違う」と実戦勘がズレていた。

ただ、光る1球があった。1イニング目の1死一、三塁。通算3202安打の4番プホルスへの3球目。トータル18球目の直球だ。

高めに抜けた直後に修正し、アウトローいっぱいへ、伸びやかに制御した。「もちろん思いっきり投げにはいっていない。どちらかといえば、置きにいってしまった部分が大きい」。力強く張った左足に上体をかぶせ、ボールを踊らせる雄大さはない。手探りを自覚しながら、この1球は打ち気な強打者に手を出させなかった。

二刀流の誇りがある。逆境の中から活路を探し出し、修正力で道を切り開いてきた。メジャー1年目のオープン戦で1試合7失点した。打率は1割2分5厘。ためらいなく技術にメスを入れ、即結果を出して「無理だ」の声を完全に封じ込めた。プホルスへの1球を糸口とし、引っかけ多発の原因を見つけ、修正するはずだ。

通常、トミー・ジョン手術からの復活ロードはマイナーリーグで登板を重ねた上で、実戦感覚を養っていく。「問題なく球数を投げられた」ことが収穫だが、開幕までは3週間を切っている。実戦へ向けては「全球種のバランスも含めて、しっかり投げられればいい」。新たな二刀流を築く。挑戦が再び始まる。