【セントルイス(米ミズーリ州)18日(日本時間19日)=四竈衛】メジャー史上6人目の「40-40」へ、本塁打でリーチをかけた。ドジャース大谷翔平投手(30)が、カージナルス戦に「1番DH」で出場。両軍無得点の5回、低空の弾道で右翼に2試合連続の39号先制ソロを放った。2年連続3回目の40本塁打に王手をかけるアーチで、「40本塁打-40盗塁」の偉業達成まで残り「1本塁打-3盗塁」に迫った。チームも競り勝ち、2位パドレスに3ゲーム差としてナ・リーグ西地区首位の座を守った。

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両手に残る感触、飛距離、打球速度など、今の大谷にとっては、さほど重要ではなかった。5回1死。甘く入った初球のカーブに対し、ほぼ完璧なタイミングでスイングした打球は、前夜とほぼ同じ軌道で、同じ右翼後方のカ軍ブルペンへ飛び込んだ。ダイヤモンドを周る際、左翼後方の味方ブルペンへ手を挙げても、先制のホームを踏んでも、表情はほぼ変えなかった。

今季は打者専念とはいえ、エースのカーショーが投げる試合の重みを、大谷は誰よりも理解していた。しかも、カ軍の右腕グレイとの「エース対決」。過去1打数無安打1三振と対戦回数が少なく、この日も第2打席まで音なしだった。一方で、それまでの7球で各球種の軌道をインプット。迎えた第3打席では、初球としては珍しい、時速79・7マイル(約128キロ)のカーブをひと振りで仕留め、左腕エースを援護した。

試合後、ロバーツ監督は「ストライクゾーンをコントロールしていたし、過去2試合は甘い変化球をライナーで打ち返して柵越えした」と分析したものの、大谷自身の真意は明かされていない。だが、過去2打席で凡退した宝刀スイーパーやカットボールを想定したうえで、カーブにも対応したかのような完璧なスイングに、通算109勝のグレイも落胆を隠せなかった。

2戦連発の派手さで「40-40」へのカウントダウンを刻むが、絶好調には程遠い。長期離脱していた2番ベッツが12日に復帰した一方、前日の試合で右手中指を痛めた3番フリーマンが欠場。当面は出場困難と見られており、今後も大谷への徹底マークは避けられそうにない。

もっとも、打率こそ下降気味だが、弾道、方向を含め、今季は本塁打の「質」にも着実に「多様性」が見られるようになった。

飛距離やパワーばかりが注目されがちだが、大谷が求め続けているのは、すべてのストライクをスタンドへ運ぶ「ハイクオリティー」の技術。図らずも、ロバーツ監督が残した「彼の打撃の質が好きだし、いい打席だった」との言葉は、大谷にとって最高の褒め言葉だったのかもしれない。

 

▼大谷の39号は、打球速度が113・5マイル(183キロ)。113マイル(182キロ)以上の本塁打は今季13本目で、MLBのラングス記者によると15年以降、17年スタントンの18本、ジャッジの15本に次いで3位。

▼大谷は39本塁打&37盗塁。両部門の「40-40」を達成した5選手で、最速は06年ソリアーノ(ナショナルズ)の147試合目。大谷は現在122試合目で最速更新に期待がかかる。また、オプタスタッツのハービー氏によると、シーズンで「6本塁打&3盗塁以上」を5カ月マークした選手は、99年グリフィー(マリナーズ)以来4人目。