ドジャース山本由伸投手(27)が10月31日(日本時間11月1日)、瀬戸際のワールドシリーズ第6戦に先発し、6回5安打1失点と好投。勝利の立役者となった。ポストシーズン(PS)3戦連続完投には届かなかったものの、96球の熱投で連続世界一への夢をつないだ。第7戦でド軍が勝てば、09年のヤンキース松井秀喜に次ぐ、WSでは日本人2人目のMVPが確実視されるシリーズ2勝目を挙げた。

◇   ◇   ◇

連覇への挑戦権を得るには山本の存在は不可欠だった。大一番で期待通り、それ以上のピッチングを何度もやってのけた。WSで2勝。命運を託された第6戦の試合後、クラブハウスで「2度、投げさせてもらえただけでもありがたいです」と謙虚に話した。いくら好投しても、慢心することはない。常に上を目指す姿勢こそが、メジャートップクラスの地位を確立するまでに進化した「Yamamoto」を作り上げた。

試合前、いつも通りにキャッチボールを始め、ルーティンの大遠投で体の使い方を確認した。独特のやり投げ調整など、登板間で基本練習を怠ることはない。その積み重ねが、自信の源だ。「何もしていなかったら、緊張した時に『よし落ち着いていこう』と思っても戦えない。とにかく練習して、力をつけないと。そういう(大一番の)局面になったときに、焦らないように」。万全の準備で臨んだこの日も、マウンド上で自信がみなぎっていた。

投げるのは右腕だが、左手の特注グラブにもこだわりを持つ。登板翌日はクラブハウスで“相棒”を磨き、大事そうにグラブのポケットの形を確認する姿がよく見られる。「空間じゃないですけど、つぶれないように。バランスの悪いグローブだと先が重くなって、左手が死んじゃう。そうすると、右手がうまく動かない。左手の肩甲骨がしっかり決まって、右手が動く。そういう(体の動きを)邪魔しないようなグローブがいい」。体重移動をする際は、大の字のように両腕を開く。フォームの再現性を高めるために、左手の微妙なバランスにも妥協はない。だからこそ、精密機械のような制球力が完成する。

この日1四球も、今季PSで5試合、投球イニング34回2/3で四球はわずか5つしかない。抜群のコントロールを短期決戦で発揮できるのも、小さな、細かい作業の繰り返しがあってこそだ。負けられない、プレッシャーがかかる一戦で本領が発揮できるのには、それなりの訳がある。

ドジャース逃げ切り3勝3敗で第7戦へ 大谷翔平1安打、山本由伸好投 佐々木朗希も登板/詳細