【フェニックス(米アリゾナ州)3日(日本時間4日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(31)が、「二刀流」の持ち味を存分に発揮した。ダイヤモンドバックス戦に「1番DH兼投手」として出場。先発として6回2安打無失点の快投で6勝目(2敗)を挙げた。防御率は規定投球回に1イニング届かなくても、先発登板10試合を終えた時点では驚異の0・74。打者としては4打数3安打2四球で5出塁、4戦連続マルチ安打で打率を3割に乗せた。ドジャースは地区最速で40勝に到達した。
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今季10試合目の先発マウンドで、大谷はこれまでに身に付けてきた数多くの引き出しを、惜しげもなく次々と開けていった。初回の1球目。時速93・4マイル(約150キロ)からスタートした。フルカウントとなった最終球は、99・8マイル(約161キロ)。同じフォーシームに球速差を付け、バットを押し込んだ。
「全力で投げるところと、そうじゃないところと、単純にストレートのバリエーションも落とした方が有効な時もありますし…」。
打者心理が分かる「二刀流」の、最大の利点を生かしたような投球術だった。3回までは完全投球。「前回より確実に良かった」と6回無安打の5月27日ロッキーズ戦から9イニング連続で「ノーヒッター」となった。4回2死から初安打を許した後は、4番アレナドを100マイル(約161キロ)超の速球で三ゴロに仕留めた。
速球の球速差だけではない。ヒジの高さも変幻自在に操った。データ上は「スイーパー」と分類される曲がり球も、左打者に対してはやや縦気味、右打者の外角には少しヒジを下げて横へ大きく滑るようにアレンジ。球速、軌道とも異なる球としてちりばめた。頻度の低いカーブも、この日は上手投げのようにヒジを高く上げ、縦割れの軌道で見逃し三振を奪った。相手をじらすかのようにピッチクロックの制限ギリギリまで球を持ったかと思えば、早めのテンポに切り替えるなど、老かいな駆け引きものぞかせた。「リスクを考えながら、本塁打だけは避けながら、投げるべきところには投げてたのかなと」。
上昇一途の打撃も、質の高い打席を継続した。3安打2四球と5回出塁した。4戦連続のマルチ安打で、ここ6戦で3度目の3安打固め打ち。打率は3割1厘まで上がり、ナ・リーグ首位の出塁率も4割2分に上がった。「打っている球も決して甘いところではないので。その結果、なかなか本塁打にはなってないんですけど、いい振り方はしているので、必然的に間を抜ける打球が多くなっているのかなと思っています」。
3割打者が防御率で隠れトップにいる。今後、残り100試合でアーチの量産ペースが上がるとすれば、次はどんな「前人未到」が待っているのだろうか。
▼ドジャース大谷が打者として5出塁。菅野から2本塁打を放った25年9月7日オリオールズ戦以来で7度目。登板した試合に限ると、23年5月15日オリオールズ戦以来2度目。MLBコムのラングス記者によると、複数回達成は1900年以降、メル・パーネル、ウェス・ファレル、ジミー・キャラハンに次いで4人目。投手として6回以上無失点で打者として5出塁は、64年9月26日メル・ストットルマイヤー以来、62年ぶり4人目。
▼大谷は6回を投げて無失点。規定投球回に1イニング不足しているが、防御率は0.74となった。防御率が公式記録となった1913年以降、開幕から10先発では21年デグロム(メッツ)の0.56、66年マリシャル(ジャイアンツ)の0.59に次いで歴代3位。



