阪神矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(46)が27日、西宮市の球団事務所で就任会見を行った。「作戦」の肩書は金本知憲監督(47)の要望で、特に監督の専門外のバッテリー部門で遠慮なくものを言ってほしい期待の表れ。野球観が共通する2人は東北福祉大出身の同い年で03、05年のV戦士としても信頼が厚い。来季は高代ヘッドコーチと「トロイカ」を形成し、金本阪神をVに導く。

 現役引退から5年。猛虎の要だった矢野氏が、指導者としてタテジマに帰ってきた。作戦兼バッテリーコーチ。目を引く「作戦」の肩書は金本監督からの要望だった。

 矢野コーチ 「意見を言って欲しい。ドンドン何でも言ってくれ。俺にそういう立場でいて欲しい」と。バッテリーのことは監督も分からないと言ってるので、そこが一番サポートするところ。「こうじゃないか」と言うことが、期待されているところだ思います。

 金本監督は秋季練習で厳しさを前面に出し、群を抜くリーダーシップを発揮している。その新監督から“俺にモノを言ってくれ”と頼まれた。意気に感じないはずがない。特に監督が専門外の投手-捕手部門は遠慮なく進言し、時に激論も戦わすと覚悟を決めた。それは選手起用から打者の攻め方、投手の代え時など多岐多彩。すべては2人のホットラインが成せる業だ。

 矢野コーチ 監督と言うのはまだ照れくさいので、今日は金本と言わせてもらいますが、その気持ちに応えたい。お互い同じような野球観で同じ場面でヨッシャーと言ったり、悔しがったりしてきた。だから一緒にやりたいと思ったので。

 監督を「金本」と呼び捨てできるほど信頼関係がある。昭和43年生まれの同い年。同じ東北福祉大に進み、他球団から阪神に移籍してきて03、05年のV戦士となった。野球に対する厳しい価値観は現役時代から一致。外様組ながら、ぬるま湯体質のチームカラーにカツを入れ、将来の阪神を案じてきた。そして訪れた指導者タッグ結成。願いは盟友を男にすることだけだ。

 以心伝心。大阪市で取材に応じた金本監督の信頼も厚かった。「意見を言えないコーチはダメ。(監督が)裸の王様になっちゃうから」と進言を要望したが、特に同い年矢野氏への期待は大きかった。「矢野は責任あるポジションをやってもらう。高代さん同様。間違ったことは言ってくれと」。金本阪神は高代ヘッド、矢野コーチのダブル参謀&トロイカ体制。来季ベンチはこの3者が並んで策を練り、11年ぶり優勝を目指す。

 矢野コーチ いい緊張感とよしやるぞという気持ち。熱いハートで精いっぱい、目いっぱいをぶつけたい。ファンの期待は大きいし、それを超えたいですね。

 現役時代と同様熱く、かつ冷静、大胆に。一時代を築いた名捕手が戦う集団の頭脳になる。【松井清員】

 ◆矢野燿大(やの・あきひろ)1968年(昭43)12月6日、大阪府生まれ。桜宮-東北福祉大を経て、90年ドラフト2位で中日入団。97年オフに大豊泰昭とともにトレードで阪神に移籍(交換相手は関川浩一、久慈照嘉)。正捕手を獲得し、03、05年の優勝メンバーに。10年に登録名を輝弘から燿大に変更し、同年引退。通算1669試合、1347安打、570打点、112本塁打、2割7分4厘。ベストナイン3度(03、05、06年)、ゴールデングラブ賞2度(03、05年)。現役時代は181センチ、81キロ。右投げ右打ち。