阪神や日本ハム、メジャーでもプレーし、タレント活動を行う新庄剛志氏(46)が16日、ワールド全開で矢野阪神にエールを送った。大阪市内で電子タバコのPRイベントに参加。古巣阪神について「オレが監督なら2年で勝たせる」などとぶち上げながら、「みんなが矢野さんを胴上げしてやろうと思ったら勝てる」と阪神で3年間一緒にプレーした先輩の成功を願っていた。

「なんでオレには監督とか何のオファーも来ないの? 阪神からさ。ゴールデングラブだってベストナインだって取ってるのに。オレなら2年で勝たせるよ。ダメか?」

自ら「オレは大阪、関西で育てられましたから。阪神には愛着あります」という新庄。まさかの「監督逆オファー」をぶちまけ、猛虎の話題にノリノリで話した。

矢野監督とは阪神で98年から00年まで3年間一緒にプレー。それだけにズバズバと本音で話した。「普通に話してたら矢野さんはすごく面白いんだけど野球になったらすごく真面目で。オレからしたら暗いかな~、と。そんな風に思いますね」。

阪神でプロ生活を始め、日本ハム、大リーグでプレー経験した上での提言もした。「練習は個人に任せてやらないと。阪神は『あれ、やれ』『これ、やれ』とか上からやらされる練習が多かった。それだと選手が伸びないからね」と具体的に話した。

イメージだけにも聞こえるが「新庄流」ならではの裏付けもあるようだ。「だってプロに入ってくる選手は普通、みんなうまいよ。その力を出せるかどうかは、結局、大観衆の前でそれを出せるかどうかでしょう」。技術以上にメンタルの重要性を説いた。

その一例として日本ハム時代の同僚で現在は侍ジャパンの指揮を執る稲葉篤紀とのエピソードを披露した。当時、満塁で打席が回ることの多かった稲葉が好機で明らかに硬くなることに対し「なんで?」と質問。すると稲葉は「失敗すると(ファンに)文句言われると思って。緊張してしまう」と答えたという。

それに対し、新庄は「アッちゃん(稲葉)、目立ってないから大丈夫だよ。ヤジられるのはオレだから」。さらに好機で打席が回ることを極端に喜ぶ新庄について稲葉が「何がそんなにうれしいんですか?」と聞いてきたときには、こう言ったそう。

「だってさ。打てばヒーローじゃん。ダメでもみんな3日で忘れるよ」。その話に稲葉は「それはすごくいい考えですね」と言い、そこからチャンスで打席に立つことを喜ぶようになったという。

そんな話をした上で来季以降の矢野阪神についても気持ちの問題を強調。「強いかどうかは知らないけど選手みんなが矢野さんを胴上げしたいと思わせること。そうしたら勝てます」とキッパリ話していた。【編集委員・高原寿夫】