日本ハムは14日、今季大きく負け越しているロッテに2-5で逆転負け。今季ワーストの1試合5盗塁を許し、2カードぶりの勝ち越しを逃した。2回に伏見寅威捕手(33)が移籍後初の適時打を放つなど2点を先行したが、3回、あっという間に追いつかれ、守りも乱れてあっさり逆転された。16日からは1・5差で追う4位西武を本拠地で迎え撃ち、上位浮上を目指す。

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日本ハム新庄剛志監督(51)は試合後、疲れ切った笑みを浮かべた。「あの3点目が余計な点ですよね」。振り返ったのは3回の守りだ。不運な当たりもあって走者をためると、あっという間に2点のリードを追いつかれ、なおも2死一、三塁。ロッテ井上の二盗を防ごうとした捕手の伏見が、二塁へ悪送球し、その間に勝ち越しの3点目を失った。新庄監督は「走ってきそうな気はしたんですけどね」と相手の動きを予測していただけに、悔しさを隠せなかった。

伏見は「井上さんの単独スチールなんて、絶対にあり得ない」と、二塁と本塁への重盗を考えた。三走の藤原を目でけん制してから、二塁へ送球…したはずが悪送球になった。「もっと強いボールを投げれば良かったんですけど、フワッと投げてしまった」。ロッテの戦法に対して、多少の焦りはあったのか。「頭の整理は出来ていた」と振り返ったが、もったいない失点だった。

先発はクイックが苦手なメネズで、許した盗塁は今季ワーストの1試合5つ。新庄監督は「どんどん走ってくるんでね」とロッテお得意の足攻めに、ため息だ。次回対戦は交流戦明けの6月23日からと日が空くが、「もう1回、考え直して。防げるものは、防いでいかないと」と対策に乗り出す。チームは2カードぶりの勝ち越しを逃し、16日から始まる4位西武との3連戦へ。打撃では、オリックスから移籍後、初適時打を記録するなど2試合連続マルチ安打だった伏見は「大事なのは次の試合に引きづらないこと。終わったことは反省して、休み明けにしっかり勝てるように準備します」と前を向いた。【中島宙恵】

○…矢沢が貴重な追加点のチャンスを逃した。2回1死一、三塁でセーフティースクイズを試みたが、捕手の目の前に転がり、一塁走者の伏見は二進も、三塁走者の上川畑は生還できなかった。新庄監督は「ファースト側に転がしてほしいところだった。一気に流れをもっていきたかったんで」。矢沢は「打球が死んでただの送りバントになってしまった。こういうこともできるように」と自らに言い聞かせた。

○…万波が自らつくったチャンスを自身の走塁ミスでつぶしてしまった。7回先頭で左前打を放ち出塁。続く上川畑の右前打で無死一、二塁とするが、次の伏見の初球、バントの構えからバットを引いた際に飛び出し、けん制死。この回は無得点に終わり「ここからというときにやっちゃいけないミス。あそこまで慌てる必要はなかった。もっと冷静に判断できないと」と反省した。

○…2試合連続で本塁打を放っていた江越が、休養のため欠場した。代わって、左腕相手に1打数しか対戦がなかった新人の矢沢がセンターを守った。新庄監督は「これ以上、ケガ人を増やせない。骨の状態も心配だったし」と説明。江越は手首とあばら骨の2カ所を骨折しており、大事を取ったもよう。「今日、明日、休んで(西武戦に)臨んでもらう」と、16日からの試合を見据えた。

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