日本野球機構(NPB)は16日、4月16日のヤクルト-DeNA5回戦(神宮)で打者のバットが左側頭部に直撃した川上拓斗審判員(30)が意識を回復したと、家族を通して発表した。会見したNPB黒川事務局次長は、川上審判員のご家族から寄せられたメッセージを代読した。

「川上拓人の現在の状況について

息子拓斗が頭部に傷を負った4月16日の打球事故から、早いもので半年が経過しました。6月8日にNPBを通じ、家族からの経過報告を行いましたが、そこから長い時間が空いてしまいましたことをお詫び申し上げます。

前回の報告から今日に至るまで、多くの方々からお見舞いや激励のお言葉、お心遣いをいただきましたことに深く感謝を申し上げます。

現在の拓斗の容体についてご報告いたします。医学的な見地での意識回復は、担当医師より意識回復と見てよいでしょうとご判断をいただきました。会話や食事ができるようになり、後遺症が全くないわけではありませんが、回復できるよう日々リハビリに取り組んでいるところです。ここまで関わっていただいている医療関係者の皆様には感謝しかありません。

今、拓斗はお見舞いに来てくださる皆様に対し、『球場へ戻って審判をしたい』と繰り返し話しております。今後も復帰を目指して治療やリハビリを継続していきますので、見守っていただけたらと思います。

改めまして、皆様からの多大なる激励メッセージをいただいておりますことに感謝申し上げます。

     家族一同」

(全文まま)

 

悲劇は、川上審判員にとって記念すべき「1軍初球審」のマウンドで起きた。4月16日のヤクルト-DeNA5回戦(神宮)の8回裏、ヤクルト・オスナの振り抜いたバットが手から離れ、後方にいた川上審判員の左側頭部を直撃。搬送先の医療機関で緊急手術を受けた。

川上審判員は新潟・中越高校を卒業後、独立リーグのBCリーグでの審判経験を経て、18年にNPB研修審判員として入局。BCリーグ出身者として初のNPB正審判員となった。

NPBは事故を受け、4月18日から球審のヘルメット着用を義務づけた。さらに5月11日の実行委員会で「危険スイング」に対して警告や退場処分を科す新たな運用を承認し、同12日から適用されている。