リングにかける男たち

京口紘人の挑戦者は異国で1人…コロナ禍調整に苦労

WBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人(26=ワタナベ)に挑む、同級11位タノンサック・シムシー(20=タイ)が10月23日、大阪市のグリーンツダジムで公開練習を行った。11月3日にインテックス大阪で開催される。

11・3に王者京口に挑むタノンサック(撮影・実藤健一)
11・3に王者京口に挑むタノンサック(撮影・実藤健一)

京口にとって3度目の防衛戦となるが、勝敗に加えて異例の状況下で行われる国内初の世界戦としても注目される。新型コロナウイルス感染症の影響で春先からボクシング興行は休止してきた。再開後、国内では初の世界戦となる。

さまざまな制限が緩和されている中でも、海外渡航は依然として厳しい。その影響をもろに受けるのが挑戦者で、念願の世界初挑戦が実現したとはいえ、異例の調整をへてきた。

本人だけでなく、周囲に感染者が出れば夢の世界挑戦は幻になる。王者陣営も想定して代替の挑戦者なども準備した。巡ってきたチャンスを逃すわけにはいかない。タノンサックは戦い以外の苦しみにも立ち向かってきたという。

タイから10月7日に来日した。日本でのマネジメントを請け負うグリーンツダジムの本石会長はマンションの1室を借り入れ、国内のガイドラインに沿って2週間の隔離。その間、トレーナーらとの接触は許されず、練習は1人だけ。エアバイクこぎ、シャドーボクシングと室内で1人で可能な練習しかできない。

練習以外の時間も、異国の地でままならない。練習以外の過ごし方を聞くと「シャワー、ごはん、寝る」。その時間を「2週間、きつかった。ストレスで気分悪い。勝つために我慢した」と振り返り、22日からようやく再開したジムワークを「新しい人生、天国みたいです」と表現した。

減量を伴うボクシングは試合前までも厳しい戦いとなる。通常以上にかかった負荷を乗り越えて臨む状態をプラスと捉えるのか。「(作戦は)今は言えないが11・3、見てください。チャンスあれば絶対、KOで勝ちます」。王者京口も、不自由な状況での調整をしいられてきた。最後は精神力の戦い。コロナ禍での世界戦に注目したい。【実藤健一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

日刊スポーツのバトル担当記者のとっておきコラム。プロレス、ボクシング、総合格闘技の現場からお届けします。

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