ボクシングの前WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)の雪辱戦に、想定外の困難が襲いかかった。昨年8月にV13を阻まれた王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)との世界戦は今日3月1日に両国国技館で挙行されるが、2月28日の都内での前日計量で、ネリが大幅な体重超過。その場で王座剥奪となり、山中が勝てば王座復帰、負けか引き分けなら空位となる。

<ルイス・ネリの騒動>

 ◆ドーピング疑惑 昨年8月15日に京都で行われた山中との世界戦後、7月27日にメキシコで検査した検体に禁止薬物ジルパテロールの陽性反応が発覚。家畜の成長促進剤で、ネリ側は牛肉に混入していたと主張した。WBCは過去の検査がすべて陰性で、意図的摂取の証拠もないとして、ベルト剥奪などの処分はなし。同時に、山中との再戦交渉に入るように命じた。今回の試合前の2月2、3日の検査では陰性だった。

 ◆謎の美女 26日の予備検診で若い女性を帯同。素性を聞かれると「話したくない」と拒否した。昨年12月に長女が誕生しており、その母親かという問いにも、「話したくない」とノーコメント。

 ◆グローブ 27日の調印式でメキシコ製グローブを準備した山中陣営に対し、日本製で統一するように要求。契約で通達済みとしていたが、本田会長は「日本製は使わないとのことで、こちらがメキシコ製にした。ふざけた話」と否定した。結局、この日のルール会議で、日本製で統一された。