フェザー級峯田光(22=帝拳)が鮮烈な1回TKO勝ちでMVPに輝いた。

鹿児島県の奄美大島出身で指導者がおらず、20才で上京してジムに入るまでは我流で特訓した強打の持ち主。キャリア2年、デビューから1年間を5戦無敗で駆け上がり、東日本の頂点を制した。

控えめな感想と対照に、峯田のパンチは威力十分だった。「これで倒れるのかなという感じ」。フェイントを織り交ぜながら細かく動く対戦相手の中村を、ゴング開始から見定めた。

「思ったより見えた」と冷静に、2分過ぎに左ガードが開いた隙を見逃さず、右ストレートで顔面を捉えてひざまずかせた。たたみ掛けて、さらに左を打ち込んで勝負あり。淡々と勝ち名乗りを受けると、「あと1つ勝って喜びたい」と12月23日の全日本新人王決勝を見据えた。

格闘技経験は小学生時代の2年間の極真空手だけ。「顔を殴りたかったけど、空手ではダメなので」とボクシングに魅了されたが、故郷の鹿児島県の奄美大島にジムはなかった。だから、「自分で勝手に…」。家にあったサンドバッグに、動画で見た一流ボクサーの動きをまねた。自然豊かで、遊び場は海山。「湾に飛び込んだり。運動神経がいい子は多い」。自身もその1人だった。

町役場を辞めて上京したのは16年。名門帝拳ジムに入ると、教わる喜びがあふれた。「この動きにはこういう意味があるのか、とか、1つ1つの動作、戦術があって」。我流仕込みのパンチ力も褒められた。幼少期から競技を打ち込む選手が多い中、アマチュア経験なしの異色の20才は伸びに伸びて、「楽しくて楽しくて」と日々を過ごす。水を得た魚が、日本一へと向かう。